黒部駅バリアフリー化 西側からアクセス可能に あいの風 市、基本構想策定へ
黒部市は1日、あいの風とやま鉄道黒部駅への西側からのアクセスを可能にし、東西を行き来する際の利便性を高める基本構想策定に入った。駅と周辺のバリアフリー化計画を年度内にまとめる。周辺で駅西の海側、駅東の山側を結ぶルートは地下道1本しかなく、津波避難の観点からも東西ルートを求める声が高まっている。市は計画に基づき来年度以降の整備着手を目指す。 高齢者・障害者、関係団体、交通事業者代表らによる黒部駅西側出口整備等利便性向上基本構想推進協議会の初会合を市役所で開き、会長に長尾治明富山国際大名誉教授を互選した。上坂展弘副市長が冒頭、「市にとって駅海側での出入り口設置は念願であり、バリアフリー化が実現への近道だ。事業の早期着手につなげたい」とあいさつした。 駅東側は三日市地区の中心市街地でホテルや病院、公共・商業施設などが立地している一方、西側は現状、工場や田畑が中心となっている。ただ近年は西側に国道8号バイパスが開通、道の駅KOKOくろべがオープンし、商業施設も出店するなど土地利用が活発化している。 駅の1日平均乗降客数は2012、13年は3千人台だったが、コロナ下で2千人強に減り、23年は2394人で長期的には減少傾向が見込まれる。 ●エレベーター設置 基本構想では、ホームを接続する跨線橋へのエレベーター設置、駅西側出入り口確保とともに、周辺500メートルの高齢者徒歩圏ルートのバリアフリー化を検討する。委員からはバスなど公共交通網の東西での一体的整備を望む声が上がった。 バリアフリー計画とは別に、市は並行して駅の利便性を高める施設整備基本計画の作成を進めており、有利な国補助メニューを見極めて事業化を図る。