鹿児島県 世界遺産連絡会議・奄美大島部会 外来動植物防除など意見交換 保全状況報告書提出 IUCN返答ない状況
国、県、奄美大島5市町村や民間の自然保護団体、観光団体などで構成する「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」の奄美大島部会など2部会が6日、龍郷町の生涯学習センター(りゅうがく館)であった。関係者らオンラインを含み約60人が出席。地域ごとの行動計画の進捗(しんちょく)状況について報告があり、外来動植物の防除などについて意見が交わされた。 同連絡会議は、世界自然遺産地域の保全・管理を推進するため2016年に設置され、同時に奄美大島、徳之島など4地域部会が設けられた。会議は適切な保護事業や緩衝地帯の保全などについて、出席者が意見を交わす場となっている。 24年度行動計画として、県から▽希少野生動植物保護条例にコウナガカワスナガニとヨウナシカワズナガニが追加指定▽指定外来動植物による県の生態系にかかわる被害の防止に関する条例に、キダチチョウセンアサガオ属など追加指定―などが報告された。 環境省から「奄美大島における特定外来生物フイリマングースの根絶の宣言について」、大和村から村立アマミノクロウサギミュージアム「Quru Guru」の整備状況報告などがあった。 奄美市からは「世界自然遺産に関する新たな財源創設検討委員会」の概要について報告。「奄美市以外での検討はあるか」の質問があり、「4町村からもオブザーバーとして参加している」とした。 会議では、屋久島とのガイド交流や徳之島で発生しているシロアゴガエルの影響、奄美トレイルの活用方法や目標などについて質問や意見が交わされた。 世界自然遺産登録時に受けた四つの要望事項(観光管理、ロードキル、河川再生、森林管理)については、22年12月に世界自然遺産委員会事務局に保全状況報告書を提出したが、IUCNからの返答はない状況とした。 そのほか、モニタリングの結果報告があり、2か年計画での「包括的管理計画及びモニタリング計画の改定」と地域別行動計画の改定」が示された。