４球団が１位指名で競合した大阪桐蔭高の根尾昂内野手を引き当て、喜ぶ中日の与田剛監督（左）＝2018年10月25日

　プロ野球のドラフト会議が２４日に迫った。有力選手には複数球団の１位指名が重複し、抽選で交渉権の行方が決まる。今年も関大の金丸夢斗投手や明大の宗山塁内野手らは抽選が確実とみられている。 　では、抽選に強いチームはどの球団なのか。１９６５年に始まったドラフト会議は何度か選択方法が変わり、現在のシステムになったのは２００８年から。同年から昨年までの１６年間のデータから探ってみた。 　１位指名が重複した回数は楽天の１４度を筆頭に阪神とヤクルトが１３度、ロッテが１２度、日本ハムとソフトバンクと巨人が１１度、中日とＤｅＮＡが１０度、広島が９度、西武が８度でオリックスが最少の７度。最初に入札した選手の抽選結果は４勝４敗の西武と５勝５敗の中日の勝率５割が最も高い。 　西武がすごいのは、その年に最も人気だった選手を多く引き当てていること。０９年の菊池雄星投手と１０年の大石達也投手は６球団、２１年の隅田知一郎投手は４球団で、いずれも最多。２３年の武内夏暉投手も最多タイの３球団だった。１番人気を引き当てた回数は中日と楽天の３度を抑え、堂々のトップだ。 　中日は０８年の野本圭外野手、１１年の高橋周平内野手、１６年の柳裕也投手、１８年の根尾昂内野手、１９年の石川昂弥内野手を引き当てた。外したのは０９年の菊池、１３年の松井裕樹投手（楽天）、１５年の高橋純平投手（ソフトバンク）、１７年の中村奨成捕手（広島）、２３年の度会隆輝外野手（ＤｅＮＡ）だ。 　このほか、最初に入札した１位指名の抽選は広島が４勝５敗で３位の勝率４割４分４厘、ロッテが５勝７敗で４位の同４割１分７厘と、くじ運はまずまず。その後は日本ハムが４勝７敗で５位の同３割６分４厘、楽天が５勝９敗で６位の同３割５分７厘、ＤｅＮＡが３勝７敗で７位の同３割と続く。 　逆に、勝率が悪いのは１勝１２敗で勝率７分７厘のヤクルト。希望通りに１位の交渉権を獲得したのは、唯一、最初の抽選で交渉権を得た１９年の奥川恭伸投手のほか、単独指名だった０８年の赤川克紀投手、１６年の寺島成輝投手、２２年の吉村貢司郎投手だけだ。 　オリックスも１勝６敗で勝率１割４分３厘とヤクルトの次に良くないが、１６年間で単独指名が１２球団最多の９度と、ある程度は狙い通りの選手を獲得できている。ただ、オリックスは最初の抽選で外れた後も４戦全敗で、３戦全敗の広島とともに未勝利。抽選で交渉権を獲得したのは１７年の最初の抽選で田嶋を引き当てた１度しかなく、１位全体の抽選結果は１勝１０敗で勝率９分１厘と最も低い。 　今季のセ、パ両リーグで優勝した巨人とソフトバンクは、ともに３勝８敗で８位タイの勝率２割７分３厘。最初の抽選を外した後もともに１勝４敗で、１位全体の抽選結果は４勝１２敗で勝率２割５分とオリックスに次いでくじ運が良くない。ただ、巨人は８連敗を脱した後に２連勝中で、ソフトバンクは２連勝の後に５連敗中と現況は対照的だ。 　昨季の日本一だった阪神も３勝１０敗で１０位の勝率２割３分１厘と苦戦している。阪神は１３、１７年に最初の入札と２度目の抽選で連敗し、３度目に交渉権を獲得した。１０年のオリックス、１３年の日本ハム、１７年のソフトバンク、２３年のロッテは最初の抽選から３連敗し、１２球団の最後に１位指名を確定させた。０７年以前を含めても、同一年で４敗以上を喫した不運な球団は、まだない。（選手の守備位置や球団は全て当時）