有害なビットコイン至上主義は、有害でなくなりつつあるのか【Future of Bitcoin】
来月、ビットコインネットワークは2009年のスタート以来、4回目の半減期を迎えます。これを記念して、CoinDeskはビットコインの変わりゆくカルチャー的側面から、現在計画されている技術的進歩まで、さまざまなテーマを網羅する1カ月にわたる特集「Future of Bitcoin」(ビットコインの未来)を展開します。 ビットコイン(BTC)に関しては最近、一度に多くのことが起きている。 アメリカでETFがスタートした後、ビットコイン価格は急上昇し、継続的に史上最高値を更新した。トランプ元大統領からブラックロック(BlackRock)CEOのラリー・フィンク(Larry Fink)氏まで、影響力の大きな人物たちが最近、ビットコインを称えている。銀行は、顧客にビットコインへのエクスポージャーを与える方法を開発している。 しかし、おそらく最も大きな変化は、ビットコインを取り巻くカルチャーの変化だ。何年もの間、ビットコインカルチャーは、ビットコインマキシマリスト(ビットコイン至上主義者)によって支配されてきた。 ビットコインマキシマリストという言葉は、関係者が名誉の勲章として使う場合は、開発する価値のあるブロックチェーンはビットコインのみだと信じている人を意味するが、ビットコインに有害な愛着を持っている人を蔑む言葉としても使われる。
態度の軟化?
しかし、マキシマリストと呼ばれるハードマネーのファンたちが、少しソフトになりつつあると言うのは言い過ぎだろうか? 2021年のビットコイナーの世界が、ツイッターで人を攻撃するマキシマリストに支配されていたとすれば、現在のビットコイナーの世界ははるかにその攻撃性を失っているようだ。 雰囲気の変化を感じているのは私だけではない。ビットコイン向けのオープンソース・スマートコントラクトプラットフォーム、スタックス(Stacks)の共同創業者ムニーブ・アリ(Muneeb Ali)氏は、X(旧ツイッター)上で受け取る攻撃的なメッセージの数がはるかに減っていると述べた。 アリ氏は、他の暗号資産にできることは何でもビットコインに取り入れることができ、ビットコインはより優れた通貨であると考えているという意味で、ビットコインマキシマリストではあるが、アルトコインを立ち上げたことで、ブロックチェーン開発者としての過去10年、基本的には仲間から嫌がらせを受けてきた。 「正直なところ、だいぶ良くなってきている。以前はビットコインの暗黒時代だった」とアリ氏は述べた。 「新しい開発者たちが登場し、新しいツールが作られているから、かなり良くなってきているのだろう。開発者コミュニティは盛り上がっている」 アリ氏が言っているのは、ケイシー・ロダーモー(Casey Rodarmor)氏がOrdinalsプロトコルを立ち上げて以来、ビットコインを取り巻く動きが活発になっていることだ。Ordinalsプロトコルは、ビットコインにNFTのようなデータを「刻み込む」ための扉を開き、他のイノベーティブなアイデアの数々を試すきっかけとなった。 しかし、誰もがこの展開を快く思っているわけではない。ロダーモー氏がOrdinalsプロトコルを発表して以来、ビットコインコミュニティでは、ビットコインが何のためにあるのかをめぐって激しい議論が続いている。