ローゼルで町おこしを 市内各地に広がる活動の輪 鴨川(千葉県)
ハーブの一種「ローゼル」で町おこしをしようと、市民有志が植栽したローゼル200本が、鴨川市内の花壇などで薄ピンク色の花や鮮やかな赤紫色の実を付けている。活動の輪が徐々に広がりつつあり、関係者は「市内の各地で花や実が見られてうれしい」と喜んでいる。
ローゼルは、アフリカ原産の一年草で、熱帯地方に多く分布。育てやすさや愛らしい花が魅力で、花の観賞だけでなく、花びらはジャムに、実はハーブティーにするなど、食用としても爽やかな酸味を楽しめる。枝や実は、生け花やリース作りにも活用できる。 ローゼルの魅力を多くの人に知ってもらい、町おこしにつなげようと、大山地区在住者や出身者ら10人で昨年、市民団体「ローゼルを鴨川の町に咲かせよう」を発足。今年は会員が20人に増え、昨年の4倍となる200本の苗を5月中旬、大山公民館をはじめ、市立国保病院や市立図書館などに植栽した。 夏場は雨が少なく、水やりに苦労したというが、9月上旬から花が咲き始め、1本に30個付けるという実も次々膨らんできている。今年は、同市宮山の「里のMUJIみんなみの里」で苗が販売された他、市民団体「鴨川を住みよい街にする会」が苗600本を市民に配布したことから、民家の花壇や庭先でも多く見られているという。 代表の竹澤節子さんは「今後はローゼルにまつわるカルタやパンフレットも制作し、ローゼルの歴史や文化についても知ってもらえるよう活動していきたい」と話している。 (安藤沙織)