間宮祥太朗「カンボジアまで行った甲斐のある画が撮れたという実感がありました」
15歳で俳優デビューを果たした間宮祥太朗。以降、コメディからシリアスまで幅広く役をこなし、2018年にNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で永野芽郁演じるヒロインの夫役で朝ドラ初出演、2020年には『麒麟がくる』で大河ドラマ初出演を果たした。2020年以降は出演したドラマの多くで主役を演じるなど、いま実力派若手俳優の一人を担っているのは誰もが認めるところ。そんな間宮さんにとってのCHANGEを訊いてみた。【第2回/全3回】 ■【画像】間宮祥太朗、田中樹、古川琴音によるカンボジアからのメッセージ動画『劇場版ACMA:GAME アクマゲーム 最後の鍵』公式X この世の全てを手にすることが出来る99本の“悪魔の鍵”を賭け、人間が“悪魔の能力”を駆使して争奪戦を繰り広げる。究極のデスゲームをスリリングに描く『劇場版ACMA:GAME アクマゲーム 最後の鍵』で主人公・織田照朝を演じた間宮さん。以前、あるインタビューで「芝居を楽しむために、毎回自分で工夫することが必要」と答えていたが、本作で”工夫”されたことはあったのだろうか。 「ドラマもそうでしたが、アクマゲームを始めると、鍵の所有者が部屋と認識する空間は”閉鎖空間“になるという設定なんです。そうなるとゲーム中は、その閉鎖空間の中での撮影になっていくので、観ている方の集中力がいかに途切れない様にするか、そのためにどう見せたら良いのか……という部分は工夫や意識しながら撮影しました。ゲームの内容によっては、体を動かしたり、色々なギミックがあったりするのですが、心の声やナレーション・ベースで表情のやりとりも多かったですね」
カンボジアの暑さは東京より気分的に過ごしやすかった
劇場版となりスケールも大幅アップ。クライマックスの舞台となるクレーシャ遺跡の内部は日活調布撮影所にある180坪のSTAGE1Stをフルに使い、本物さながらの神殿跡を作り撮影に臨んだ。また、冒頭を含む海外のシーンはカンボジアでロケを敢行。ロケは今年の2月下旬から行われ、これが劇場版のクランクインとなった。日本はまだ冬の季節だったが、カンボジアは高温多湿の30度越えの暑さ。間宮さんにとってカンボジアを訪れたのは初めての経験だったが、 「脳が暑いものと認識しているせいか、東京のビル群の中での暑さよりも、気分的に過ごしやすかったです」 ──東京都心はアスファルトの照り返しが半端じゃないですからね。 「今回、ナイトシーンの撮影がなくて、デイシーンのみでした。なので、現場が押しても巻いても、日中に撮影が終わるんです。それもあって、撮影期間は健康的なハードさでしたね。せっかくカンボジアに来たから色々な画を撮りたいということで結構移動も多かったんです。アンコールワットやタ・プローム遺跡にも行きました。だから、撮影よりも移動の方が長いこともありましたね(笑)」 トレンサップ川でのボート・チェイスのシーンから映画は幕を開ける。 「あの川にはそこで実際に生活を営んでいる方々がいて、ひとつの街を形成しているんです。だから、僕たちは『お邪魔します』という感じで撮影させていただきました。実は、撮影前日にスタッフさんが打ち合わせに行った時に、船(そこの人たちにとっての家)の位置を撮影しやすいように整えて下さったんです。初日の段階では、現地のスタッフさんとの連携も手取り足取りみたいな状況だったんですけど、言語の壁を越えてみなさんが協力してくださったので、カンボジアまで行った甲斐のある画が撮れたという実感がありましたね」 劇場版にふさわしく、後半は“世界終末”というスケールにまで物語は膨らんでいく。その中での、照朝と共に鍵を探す友人の斎藤初(田中樹)と眞鍋悠季(古川琴音)とのやりとりで、初が悠季に「今日、世界が終わるとしたら一番したいことは?」と尋ねるシーンがある。その問いをそのまま、間宮さんに向けてみた。 すると数秒間考えて、「家で過ごしていたいですね」と笑いながら答えてくれた。 「家でいつも通り過ごしていて、世界が終わる頃には寝ていたいですね。寝ていたら、いつの間にか世界が終わっていた……っていうので良いと思いますよ」 間宮祥太朗(まみや・しょうたろう) 1993年6月11日、神奈川県生まれ。O型。2008年、ドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』で俳優デビュー。17年、『全員死刑』で映画初主演を果たす。18年に放映されたNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で注目を集める。20年にはNHK大河ドラマ『麒麟がくる』に出演し、22年に主演ドラマ『ナンバMG5』で「第47回エランドール賞新人賞」を受賞。主な出演作に『ファイトソング』、『真夏のシンデレラ』などのドラマや『破戒』、『ある閉ざされた雪の山荘で』、『変な家』などの映画がある。 鈴木一俊
鈴木一俊