「韓国の年功序列賃金体系、日本より硬直…今後GDP7%の社会的費用負担の懸念」
少子高齢化の流れの中で韓国の年功性賃金体系を改善しなければ社会的費用で国内総生産(GDP)の7%以上を支払うことになるという国策研究機関の警告が出てきた。 韓国労働研究院が17日に発表した「人口構造変化を考慮した賃金体系別社会的費用研究」と題する報告書によると、韓国の労働市場の最も重要な特徴は勤続年数により自動で賃金が高まる年俸制だ。号俸制とも呼ばれる。韓国で勤続1年未満の労働者の賃金を基準とすると、勤続15~19年の労働者の賃金は彼らより3.33倍多く、勤続30年以上の労働者は4.39倍に達する。 他の国と比較しても高い。製造業の勤続20~30年を基準として、韓国の賃金は1年未満の労働者の2.83倍で、賃金年功性が強い日本の2.55倍よりも高い。このほかドイツの1.88倍、英国の1.50倍など欧州ははるかに低い水準だ。 過去1970~1980年代の韓国は年俸制をベースに急成長した。当時の人口構造上、年俸制は定年制度とともに労働者の長期勤続を誘導し、企業の立場では人的資本蓄積を助ける制度として作用したためだ。 だが報告書は、少子高齢化の流れに変わり年俸制の有用性が低下していると指摘する。もし企業が現在と同じ長期賃金契約体系を維持するならば経営上の危機にさらされかねず、これは税金など社会的費用に転嫁される可能性が大きい。報告書は最近予想されている生産性と人口増加率構造が続くならば今後GDPの7%程度の社会的費用を支払わなければならないと分析した。