掛布雅之氏「一気にアウトを2つ狙ったように見えた坂本。冒険する必要はなかった」
◆JERA セ・リーグ 阪神1―1巨人=延長10回雨天コールド=(16日・甲子園) 【写真】「ザ・キャッチ」尚輝がピンチ救う超ファインプレー 巨人にとっては価値ある引き分けだった。終盤に痛恨のミスが出て、流れ的には昨季までなら落としていた試合だ。中盤までは積極的に次の塁を狙う走塁や、守備での球際の強さなど、阿部監督の目指す野球ができていた。東京ドームでの開幕3連戦で2年ぶりに阪神にカード勝ち越しを決め、真価が問われる甲子園の初戦。開幕戦と同じぐらいの重要性があるとみていた。反省点もあるが、負けなかったことは大きい。 7回1死二塁の二、三塁間での挟殺プレーは、確実に走者を二塁方向に追い込んで1つのアウトを取るべきだった。三塁の坂本は二塁に向かう打者走者を二塁送球で殺して、一気にアウトを2つ狙ったように見えた。冒険する必要はなかった。2死二塁になるところが、1死二、三塁になり、山崎伊は1失点だけでよくしのいだ。 8回1死の佐々木の盗塁死は、状況的に何らかのサインミスだった可能性がある。初球で、しかも門脇はバントの構えをしており、単独スチールは考えにくい。犠打で送って、岡本和に回すことができず、結果的には門脇、岡本和の連打が得点に結びつかなかった。 それでも、山崎伊が執念で村上のフォークに食らいついた3回の適時打や、4回1死一、二塁で二塁後方の小飛球をダイビングキャッチでダブルプレーにした吉川の好捕など、光るものはあった。リリーフ陣の踏ん張りも昨季との違いだ。阪神も意地を見せて追いついた。2戦目の両チームの戦いが楽しみだ。(スポーツ報知評論家・掛布 雅之)
報知新聞社