阪神・高橋遥人、893日ぶり帰ってきた!1回0封 虎党に仲間に「感謝」
左肘などの手術から復活を目指す育成の阪神・高橋遥人投手(28)が17日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(鳴尾浜)に先発し、1回1安打無失点。2021年11月6日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ・巨人戦(甲子園)以来、893日ぶりの実戦登板を果たした。最速147キロをマークし、順調な回復ぶりをアピール。支配下登録復帰に向けて大きな一歩を踏み出した。 虎党も仲間もみんなが待ちわびた、この瞬間。大きな拍手に背中を押され、高橋がまっさらマウンドに上がる。鼓動は高鳴れど、落ち着いたマウンドさばき。1回1安打無失点で、完全復活への大きな一歩を踏み出した。 「緊張はめちゃくちゃしました。前日とか夜とか、きょう一日、ソワソワしていたかなと思います。でも、意外に(マウンドに)立ってみたら、2年半(ぶり)という感覚はあまりなくて」 注目の第1球は146キロ直球。先頭・杉沢がはじき返した鋭いライナーを好反応でダイレクトキャッチし、この1死で気楽になれた。右前打を許したあとは、粘りにも負けずD1位・横山聖(上田西高)をツーシームで空振り三振。4番・トーマスも遊ゴロに抑えた。 最速は147キロを6度。朝にはファンが長蛇の入場列をつくったほど注目を浴びたなか、16球の出番に喝采が起こった。高橋は「いろんな人に見に来てもらって、感謝ですし、ありがたいですし、ずっと投げられない中でも応援してくださっている人の声というのは聞こえていたので。またマウンドで投げるところを見せられて、すごくよかった」と笑った。 2022年4月に左肘のトミー・ジョン手術、昨年6月には「左尺骨短縮術」および「左肩関節鏡視下クリーニング術」を受けた。実戦登板は21年11月6日のCSファーストステージ・巨人戦以来、893日ぶりとなったが、和田2軍監督は「やっぱり制球がいいから、見ていて全然不安がない」と高評価。今後も1イニングの登板を数回こなし、それから回数を延ばしていく予定だ。 度重なるけがに手術の連続。元気に投げているチームメートに対するうらやましさは「最初の方はありました」。ただ、それも「最近はあまりそういうの(うらやましさ)も考えなくなってきた」。振り返っても前を見ても、あまりにも長いリハビリ期間だった。それでも再び1軍で投げることを目指し、自分自身と向き合い、とにかく目の前のことに必死になって一日一日を過ごしてきた。