<春に輝け・常総学院の挑戦2021>選手紹介/18止 大津勇人外野手(3年) つかんだ「18番」 泥臭く /茨城
名前が呼ばれたのは、18番目だった。「最後の最後だったから……」。念願のベンチ入りを果たし、笑みがこぼれた。 3歳上の兄・拓海さん(20)の影響で、小学1年から野球を始めた。中学時代は主将の田辺広大(3年)と同じ「川崎中央リトルシニア」で活躍。しかし、常総学院ではレギュラーどころかベンチ入りすらかなわなかった。スタンドから眺める仲間たちは県大会や関東大会で活躍。チームは甲子園への切符を手に入れたが、仲間への感謝と、「今度こそ自分が試合に出たい」という気持ちが湧き上がった。 「それまでは『これくらいでいいや』で練習を終えていた」と振り返る。毎朝6時半から素振りを始め、全体練習に臨んだ。メンバー入りの可能性を高めるため、外野手に転向。帰省時には、かつて外野手だった拓海さんとともに、父のノックを受け、助言をもらった。 センバツが決まった時からメンバー入りできるように応援してくれていた兄。18番になったことを報告すると「2番手で満足するな。スタメンを取れるように頑張れ」と鼓舞してくれた。甲子園では泥臭いプレーに徹し、兄への恩返しを目指す。=おわり(この連載は長屋美乃里が担当しました) ……………………………………………………………………………………………………… ◇選手データ ▽神奈川・橘中出身 ▽身長170センチ、体重70キロ ▽右投げ、左打ち