【木原予報士が解説】「台風10号」今後の見通しは…各地で記録的大雨 週末にかけ雨続く
日テレNEWS NNN
記録的な大雨を降らせるなど、各地で大きな影響をもたらしている台風10号。今後の進路や雨の見通しについて、木原実気象予報士に聞きました。
台風10号は29日朝、鹿児島県に上陸し、その後、丸一日かけて九州南部から北部を通過。この時間は、西日本をゆっくり東寄りに進んでいます。 すでに台風の勢力は落ちていて、暴風が吹くおそれは弱まってきたのですが、台風本体の雨雲や南から吹き込む湿った空気の影響で、西日本だけでなく台風から離れた関東でも記録的な大雨になった所がありました。
29日からの雨雲の動きを振り返ってみます。台風本体の周りにも発達した雨雲はあるのですが、台風からは離れた東海や関東にも非常に湿った空気が流れ込み、活発な雨雲が次々とかかりました。 今回の台風は動きが遅いため、風向きがあまり変わらず、同じような場所で雨が降り続き、雨量が極端に多くなっている所があります。
72時間で降った雨の量を見ると、九州のほか、四国や紀伊半島周辺、そして東海や関東などで300ミリ以上を示す赤い棒が伸びています。宮崎県のえびの高原では891.5ミリ。大分県の湯布院でも635.0ミリと、8月としては1位の記録を更新する大雨となりました。また、台風から離れている静岡でも、この3日間で515.5ミリと観測史上1位の大雨となっているんです。 そして関東でも雨量が多くなっていて、神奈川県の小田原では423.5ミリと、史上1位の記録に迫っています。
──この後もまだ大雨への警戒が必要ですか? はい。この後もまだまだ油断はできません。30日正午の気象衛星による雲の様子を見ると、台風周辺だけでなく東日本や東北など広い範囲に雨雲が広がっています。そして、気になるのが東海・関東の南から縦に伸びるこの雨雲。この辺は、太平洋高気圧の縁にあたり東海・関東などにはこの縁をまわる湿った空気が流れ込んでいるんですが、実はここに別の熱帯低気圧が解析されているんです。 つまり、台風10号からの湿った空気に加えて南の熱帯低気圧からの湿った空気もこの後、東海や関東に流れ込んでくる可能性があるんです。