フランスで極右が躍進、下院解散へ 欧州議会選
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【6月10日 AFP】欧州議会(European Parliament、定数720、任期5年)選挙は9日、加盟27か国で投票が終了した。フランスでは極右勢力の躍進を受け、国民議会(下院)の解散、総選挙の実施が決まった。欧州議会全体では、主流の中道会派が過半数を維持する見通し。 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、同日の出口調査で、極右のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏率いる「国民連合(RN)」に自身が率いるリベラルな与党連合が惨敗した結果を受け、下院の解散と総選挙の実施を表明した。 RNは、得票率でマクロン氏の政党「再生」の2倍超となる約33%を獲得し、議席を31に増やす見込み。 ドイツでも、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が16%を獲得し、第2党に浮上。オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相の中道左派「社会民主党(SPD)」は14%で、3位に転落した。 生活費高騰などもあり、欧州の有権者3億6000万人超のうち多数が、移民排斥を唱える極右の主張になびいた形だ。 一方、議会全体では、主要な中道3会派は議席数を若干減らしながらも720議席中401議席を獲得し、過半数を維持する見通しとなっている。 このうち中道右派の「欧州人民党(EPP)」は186議席を得て第1党となり、これに中道左派の「欧州社会・進歩連盟(S&D)」が133議席、中道の「欧州刷新」が82議席で続く見込み。 欧州委員長職の続投に意欲を見せるウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)氏は、支持母体のEPPについて「私たちは安定の要」だと述べ、「他の会派と共に極左・極右に対抗するとりでを築き、そうした勢力を阻止する」と訴えた。 映像はフランス、ドイツ、ベルギー、ギリシャで9日撮影・一部提供。(c)AFPBB News