面を作ったら足で打ちにいく! 倉持美穂が決めのフォアボレーで意識しているポイント【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は早稲田大学卒業後プロ転向し、飛躍的に成長した倉持美穂選手の最終回。決めのフォアボレーのポイントを教えてくれた。 【連続写真】倉持美穂の決めのフォアボレー『30コマの超分解写真』 * * * フォアボレーでは「左手を残せ」とよく言われているんですが、この写真は随分と下に落ちてますね(写真3コマ目)。構えではちゃんと身体の前に高くセットできていますが(2コマ目)、すぐに伸び切っています。これは私の悪い癖で、直そうと思っている部分です。 ボレーはまだまだ練習している段階で(※2022年の取材時点)、完成度は高くないですね。ボレー自体は以前から好きでしたが、試合ではあまり使えずにいて、練習するにつれて安定してきたので、最近はできるだけトライするようにしています。 プロに転向してからは練習量が増えたし、ダブルスにも結構出るのでボレーの機会が増え、それがシングルスにも生きてきている感じです。 この写真は浮いてきたボールに対する仕上げのボレーですが、こういう時はラケットを振りがちなので、振らないように面を作って(3コマ)、足で打ちにいくように意識しています。先ほども言ったように、左手が落ちると身体が開いて安定性に欠けるため、そこは改善点ですが、足で運ぶという基本はできていると思います。 具体的に言うと、まず右足でボールに入り(4コマ目)、左足を踏み込みながらボレーする(5~7コマ目)というフットワークです。フォロースルーもなるべくコンパクトに抑えて(8コマ目)、作った面をそのまま足で前に持っていくように意識しています。 ボレーは本当に「面」と「足」だと思います! 【プロフィール】倉持美穂/くらもちみほ 1998年6月9日、神奈川県生まれ。166cm、右利き。2020年に関東学生を制し、21年に早稲田大学を卒業と同時にプロ転向。WTAノーランキングからスタートし、昨年はITFツアーで2勝するなど、現在は361位(24年9月)までランクを上げている。国内ランクも卒業時73位から24年春には12位までアップ。鋭い攻守の切り替えが持ち味。SBC メディカルグループ所属。 構成●スマッシュ編集部 取材協力●SBCドリームテニスツアー ※『スマッシュ』2023年2月号より再編集