「赤箱」の牛乳石鹸共進社、マーケティング目的でEC活用 期間限定サイトで独自グッズが人気
牛乳石鹸共進社は10月4日、オリジナルグッズを販売するECサイトを期間限定で開設した。ECサイトでの展開は5回目で、固形石けんの「赤箱」プロモーションの一環として実施しているという。固形石けんになじみがない人が増えている中、洗浄料ではなくコスメとしての見せ方を工夫したことで、ファンを増やしている。 【<画像12点>期間限定販売で人気の赤箱デザイングッズ】 「赤箱」の発売から90周年を迎えた2018年、京都で期間限定イベント「赤箱 AWAーYA(あわや)」を開催した。同イベントが想定以上に人気だったことから、その後も福岡などで同イベントを開催した。コロナ禍をきっかけに、2020年から同イベントをECサイトで実施するようになったという。 「赤箱」について、「社内では全身を洗う洗浄料だと捉えていたが、肌に優しいことから洗顔用の『プチプラコスメ』として使われていることが分かった。商品は変えずに、見せ方を変えることでファンを増やすことができた」(マーケティング部 課長代理 笹壁友輔氏)と振り返った。 「赤箱 AWAーYA ONLINE SHOP」は10月5日時点で、2023年を超えるペースで注文が入っている。既存のファンからの注文が多いというが、SNSや口コミをきっかけとした新規顧客も増えているという。 「2023年のレビューに1つずつ目を通した。熱量の高いコメントが多かった。ECサイトのレビューやSNSの口コミが新規ファンの獲得にもつながっていると思う」(同)と話した。 イベントやECサイトでの販売により、エンドユーザーと直接コミュニケーションを取る機会ができたという。 「卸での販売をメインとしているので、直接声が聞けるのはうれしい。ECサイトやブランドのウェブサイトは、幅広い年代に向けて商品の魅力や世界観が伝わるようなデザインにした」(同)と話した。 2024年9月に、ウェブマガジン「赤箱のススメ」を公開した。商品のこだわりや使い方などを詳しく説明するコンテンツとなっている。商品をきっかけにブランドや会社のファン化を促進したい考えだ。 「プロモーションとしては成功したと思うが、まだまだ成長できると思う。ファンと長くお付き合いをしていくには、『何を買いたいか』だけでなく『誰から買いたいか』が鍵になるだろう。歴史のある会社としての信頼も引き続き大切にしていく」(マーケティング部 主任 伊藤陽太氏)と話した。 「ECサイトを通年開設してほしい」というニーズが高いことを考慮し、今後の開催方法などを検討しているという。
「日本ネット経済新聞」記者 酒井琴音