東海道新幹線の防音壁に太陽電池 JRが実証実験、駅などの電力に
JR東海は、薄くて曲げられる次世代の「ペロブスカイト太陽電池」を搭載した東海道新幹線の防音壁の実証実験を1月から始める。沿線に連なる防音壁の有効活用を見据えた試み。積水化学工業と共同での技術開発で、発電した電力は新幹線の駅などでの活用を見込んでいるという。 【写真】ペロブスカイト太陽電池付き防音壁の試作品=JR東海提供 ペロブスカイト太陽電池は薄いフィルム型で、現在主流のシリコン電池よりも軽くて柔軟なのが特長だ。壁面や窓ガラス、曲面など取り付けられる場所が広がる利点がある。 東海道新幹線の防音壁は、沿線全体で約650キロにわたって設置されている。日当たりのいい南側の防音壁で、線路とは反対側となる海側に太陽電池を取り付ける想定。防音壁にガイドレールを設け、太陽電池を差し込んで固定させる方式を開発した。 試作品を使った実証実験は、JR東海の小牧研究施設(愛知県小牧市)などで行う。列車の通過を想定した振動や風圧などを加えた試験をしたり、屋外環境の様々な条件下での発電性能の評価をしたりする。実証実験の結果を踏まえ、実用化に向けた検討を進めるという。(辻健治)
朝日新聞社