【ライブレポート】山本彩がSCANDALお姉さんと16年ぶりにステージで再会、「SYnergy」千秋楽でコラボも披露
山本彩のライブツアー「山本彩×ライブナタリー Zepp TOUR『SYnergy』」が、11月29日に大阪・Zepp Namba(OSAKA)で閉幕。この記事ではSCANDALを迎えた千秋楽公演の模様をレポートする。 【写真】16年ぶりの競演!抱きしめ合う山本彩とHARUNA。 ■ 「SYnergy」千秋楽は16年ぶりのSCANDALとの対バン 「SYnergy」は山本とライブナタリーの共催によるツーマン企画。各アーティストとの競演で生み出される“相乗効果(シナジー)”への期待を込めてこのタイトルが冠された。ファイナル公演には、山本がNMB48加入前、バンド・MAD CATZとして活動していた頃にライブハウスで競演していたSCANDALが登場。両者の共通のファンも多く、16年ぶりに2組が競演するスペシャルな一夜を目撃しようと会場には多くの観客が駆け付けた。 ■ SCANDALのステージは定番ロックチューンで幕開け 先攻のSCANDALは、活動初期にリリースされた代表曲の1つ「少女S」でライブをスタート。さらに「最終兵器、君」「LOVE SURVIVE」といった定番のロックナンバーを繰り出し、熟練したバンドサウンドで会場の熱気を一気に引き上げた。HARUNA(Vo, G)は「16年ぶりの彩ちゃんとの対バンということで……エモエモ! 16年の時を経て大人になってまた対バンできるということで、私たちも大人になって変化した姿を彩ちゃんにも彩ちゃんのファンの皆さんにも見ていただけるように一生懸命やろうと思います」と胸がいっぱいの様子。TOMOMI(B, Vo)も「お互い長くやってきたよね」と感慨深げだった。 そんなMCのあとは、リアルな恋愛感情を描いたミドルチューン「愛にならなかったのさ」、ビターな失恋ソング「Plum」といった大人になったSCANDALだからこそ歌えるナンバーが続いていく。軽快なポップチューン「one more time」では、シンガロングとクラップを巻き起こし、4人が紡ぐサウンドで会場に一体感を作り上げた。 ■ 異なるキャリアを歩んだ2組の再会に喜び その後、HARUNAは「16年の間で私たちが経験してないキャリアを積んできていることがカッコいいと思うし、同じ女性のミュージシャンとしてリスペクトの気持ちでいっぱい」と山本とまたこうしてステージで再会できた喜びを語り、「(ツアーに招いた)3組は、自分の音楽的なキャリアの中で印象に残っているアーティストを選んだと聞いて、まだ10代の子供だったのに彩ちゃんの中の大事な思い出の1つになっていると知って、やっててよかったと思いました」とうれしそうに話す。RINA(Dr, Vo)はお互いにダンススクール出身でありながら、アイドルとバンドという異なるキャリアを歩み、それぞれのシーンで活躍してきたことに言及し、「ちょっと種類は違うかもしれないけど自分が想像しなかったようなストーリーを歩んできて、ここでまた交わることができて最高です。やりたかったことを思いっきり表現している彩ちゃんには特別な輝きがあって、その姿に救われている人がたくさんいる。だからこそ今日みたいな日につながっていて、そこに呼んでもらえてうれしいです」と述べた。 SCANDALはインディーズ時代に発表した「カゲロウ」で演奏を再開し、「A.M.D.K.J」「テイクミーアウト」と、立て続けにロックナンバーを披露してフロアを盛り上げていく。MAMI(G, Vo)が高らかに鳴らすギターソロに観客は熱い声援を送った。そして最後に4人は代表曲「瞬間センチメンタル」を投下。拍手喝采の中「最高の夜をありがとう! 彩ちゃん呼んでくれてありがとう!」と山本へバトンを渡し、ステージを去った。 ■ 山本彩、SCANDALお姉さんたちと再会に感慨 バンドを従えて登場した山本は「盛り上がってますか? 大阪!」とさっそく観客を焚き付け、昨年リリースした骨太なロックチューン「Bring it on」で演奏を開始。髪を振り乱しながらギターを掻き鳴らし、深みのある歌声を響かせると、オーディエンスはハンズアップして彼女の音楽を全身で浴びた。開放感のあるロックナンバー「Are you ready?」でフロアをさらなる盛り上がりへと導いたあと、山本はアコースティックギターに持ち替えて「劣等感」を披露。哀愁を帯びたメロディを美麗なファルセットボイスを駆使しながら歌い上げた。 「さすが大阪、めちゃ熱いですね」と会場の熱気に圧倒された様子の山本は「初めて対バンツアーをやらせていただくのでそれだけでもうれしいんですけど、今回は16年ぶりにSCANDALお姉さんたちと再会して……こんなに感慨深いことはなかなかないです」と、SCANDALと同様に16年ぶりの競演に感激。そして「大阪はお互いの地元なので熱く楽しい夜を過ごしていけたら」と大阪で結成されたSCANDALと地元大阪でライブができる喜びを語り、ジャジーな雰囲気の「Nocturnal」でライブを再開した。 ■ 新曲披露にHARUNAとの「レインボーローズ」コラボも 「イチリンソウ」「ブルースター」と山本の歌唱力が際立つロックバラードを2曲届けたあと、山本は着ていたジャケットを脱いでTシャツ姿になり12月25日にリリースするEP「U TA CARTE」よりポップチューン「KIRAKUモンスター」をひと足早く披露。ノリのいいサウンドに観客は体を委ね、「マイペース!」と歌詞の一部を叫んで盛り上がった。 疾走感のある「against」「TRUE BLUE」で勢いを付けた山本はステージにHARUNAを招き入れ、自身の楽曲「レインボーローズ」でコラボ。虹色のライトが彩るステージで2人が歌声を重ねると、フロアはこの日一番の盛り上がりを見せた。HARUNAをステージ袖へと見送った山本は「同じステージでコラボレーションできるのは対バンならではですよね。今日はめっちゃ最高です。今後、ライブなのか音楽なのか……またどこかで交われたら」と話し、ラストナンバー「Seagull」を歌唱。「ありがとうございました!」と晴れやかな表情でステージを去った。 ■ あの“DM事件”を公開謝罪、共演を約束し大団円へ アンコールならぬ“彩コール”を受け、再びステージに舞い戻った山本。彼女は「1本1本どれもすごくそこでしか得られない刺激があって、ずっと楽しいなと思わせてもらった対バンツアーでした。今回もまさに“SYnergy”を感じられる……シナジーでありシンパシーというか、そういったものを感じられる大阪千秋楽でした」とツアーを振り返り、1月31日より全国ライブハウスツアー「SAYAKA YAMAMOTO NO MAKE TOUR 2025」を開催することを発表した。そして生沢佑一「ひといきつきながら」のカバーと「Larimar」を伸びやかに歌唱し、SCANDALをステージに呼び込む。観客をバックに記念撮影をしたあと山本は事前に行ったHARUNAとの対談の中で明かされた“DM事件”を公開謝罪。RINAが「これは職権乱用しているんじゃないかなと思いながらDMして返事が来なくて『事務所管理だよなあ』と思ったんです(笑)。でも読んでくれとったんやもんね。それを知れてよかったし、さっきもMCで話したけど、うれしかったんだよ。バンドマンの彩ちゃんに最初出会って、いろんなチャンスをつかんで、やれることを全部やって……そのストーリーが今につながっていて。自分たちもやってきてよかったなって思える今日があって本当に最高でした」と笑顔を見せると、山本は胸をなでおろす。「本当に皆さん優しくて……本当にありがとうございます。また何か……」と言いかけた山本にHARUNAは「また何か一緒にやりましょう」と食い気味に声をかけ、会場からは歓声が上がった。そして山本は「特別でエモーショナルな機会にお越しいただきありがとうございました」と改めて観客に感謝し、SCANDALとバンドメンバーとともにお辞儀をして「SYnergy」の幕を閉じた。 ■ セットリスト □ 山本彩×ライブナタリー Zepp TOUR「SYnergy」2024年11月29日 Zepp Namba(OSAKA) SCANDAL 01. 少女S 02. 最終兵器、君 03. LOVE SURVIVE 04. 愛にならなかったのさ 05. Plum 06. one more time 07. カゲロウ 08. A.M.D.K.J 09. テイクミーアウト 10. 瞬間センチメンタル 山本彩 01. Bring it on 02. Are you ready? 03. 劣等感 04. Nocturnal 05. イチリンソウ 06. ブルースター 07. KIRAKUモンスター 08. against 09. TRUE BLUE 10. レインボーローズ with HARUNA 11. Seagull <アンコール> 12. ひといきつきながら 13. Larimar