“チャリで来た”1枚の画像で時の人に、ネットの拡散には「正直ムカついていた」「怖かった」 当事者と考える“ネットミーム化“、その功罪
■「ネットミーム」最近の種類・傾向は
芸人でネットミーム専門家の大久保八億氏は、「当時は、ネット利用層がオタク寄りで、ヤンキーをバカにするノリがあった」と解説する。「“陽キャ”が使うサイトから拾って、さらす形のネットミームが多かった。それが、生まれた時からスマホを使う世代になって、共通の言葉として愛されるようになったのではないか。当時はバカにされていたかもしれないが、5年、10年経って馴染みある存在になったと思う」。 小学館『@DIME』の2023年7月18日配信記事によると、ネットミームの現在の傾向として、「TikTokコンテンツが他メディアでも転用されるようになって爆増(海外にも影響)」「『ノリ・語感』『曖昧さ』がキーワード」「“ミーム”と呼べる基準は『1日3コンテンツを3日連続』で見かけた時!?」だという、
直近では、2023年であれば「強風オールバック」「ひき肉です」、2024年は「猫ミーム」「しかのこのこのここしたんたん」などがある。大久保氏は「定義は曖昧だが、ユーモアを持って互いの共通言語になれば、ある程度『ネットミーム』と言えるだろう。その中で、ポジティブやマーケティングの要素があれば『バズる』と言われる」と説明。 また、「昔はSNSのリプライに使えるような、ニュースのキャプション画像がよく使われた。『でも幸せならOKです』のように、リプライで使える画像と文字の組み合わせは、鉄板だ」とした。
■自分がネットミームにされたら?
一方で、権利面に問題があるのも事実だ。大久保氏は「イラストだと作者が特定しやすく、権利の主張も楽。しかし、ニュース画像などは、放送局が著作権、写っている人が肖像権を持つように、権利が分散している。誰に主張すればいいかわかりづらい現状がある」と指摘。「放送に出たらネットでも拡散される、と考えておいたほうがいい」と促す。 WEBクリエーターでオモコロ創業者のシモダテツヤ氏は、ミーム化してしまった友人から「目立たなくしたい」と相談を受けたことがあるそうだ。「弁護士などは『お気持ちを表現しましょう』『訴えると言いましょう』と提案していたが、それは逆に火に油を注ぐことだ。ネット民は性格が悪く、嫌がるほどに『おもちゃにしたいと考える』」。