知財・情報フェアが2日開幕 小野特許庁長官「AI含め民間サービスとユーザーの接点に」
特許・知的財産に関する国内最大級の専門展示会「第33回 2024知財・情報フェア＆コンファレンス」が10月2～4日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催される。特許庁の小野洋太長官に知財をめぐる現状や課題、展示会への期待を聞いた。（聞き手 高橋天地） ■知財と経営はシンクロ －－特許庁は近年、知財を活用して経営の質を高め、企業価値を向上させる「知財経営」の浸透・定着に取り組んでいる 「大切なのは最初に知財ありきではなく、知財は経営を支えるもの。また、知財と経営はシンクロしているという点にある」 －－なぜ、知財を意識した経営が求められているのか 「経営には将来のビジョンがあり、どう実現するかの戦略がある。その際、自社の強みをどう生かし、弱みをどう克服するか。その打ち手として何に注力するかが問題となる。当然、その中に技術戦略やブランド戦略が含まれるが、そこへ知財や知財戦略が組み込まれていく」 ■生成AI「特許制度の問題意識ある」 －－昨今、生成人工知能（AI）を活用した発明や意匠などさまざまなコンテンツが創作物として認められるのかという問題も浮上している 「特許制度そのものの問題で、今後議論をしていきたい。極端なことを言えば、あらゆる発明が当たり前にできてしまう。そのような時代では、特許制度は変わっていくのではないかという問題意識はある」 －－今回の展示会に期待することは 「AIを含めた民間サービスが集結していると聞いている。民間サービスとユーザーの接点になればうれしい」 －－特許庁は来年10月2～10日、2025年大阪・関西万博に出展するが、PRしたいことは何か 「知財は社会の課題を解決するツールだと世の中に示そうというのがグローバルな潮流。われわれも知財が世の中の役に立つことを若年層にも理解してもらえるよう展示などで示したい」 ▷開催期間：10月2日（水）～4日（金）。午前10時から午後5時まで。 ▷場所：東京ビッグサイト西3・4ホール
