年金受給世帯「年金だけで生活できない」約4割。70歳代夫婦世帯の「年金額」を一覧でチェック!生活費と貯蓄がカギに
新NISAが開始され、「貯蓄から投資へ」が大きく促進されました。 今まで投資とはほぼ無縁だった日本人ですが、確実に資産運用を取り入れる方が増えています。 ◆【年金グラフと一覧表】今の70歳代はいくら年金をもらっている?老後の収支は平均で3万円以上の赤字に 資産運用を取り入れる方が増えている理由としては、やはり老後生活への不安があげられるのではないでしょうか。FPとしてお客様とお話をしていても、老後への不安を悩みとしている方が大多数です。 また、2024年9月15日に総務省から公表された資料によると、65歳以上人口は3625万人と過去最多に。 65歳以上人口の割合が世界で最高となる中、少子高齢化によって「年金制度が維持できるのか」不安になる方が多いのもうなずけます。 実際、厚生労働省の資料では「年金だけで生活できない」高齢世帯が約4割になったこともわかっています。 そんな老後生活について少しでもイメージをつけられるように、本記事では、老後生活を送っていると考えられる70歳代の暮らしぶりを「年金額・生活費」と「貯蓄額」から確認していきます。 現役のシニア世代の暮らしを理解したうえで、老後資産をどのように準備すればいいのかについてもお伝えします。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
老齢年金受給世帯の約6割が「年金だけで生活できない」
厚生労働省が2024年7月に発表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の高齢者世帯は41.7%です。 ここから、老齢年金受給世帯の約6割が、年金だけで生活していないことがわかります。 では、いまのシニア世代は、毎月いくらの年金収入を得ているのでしょうか。 現役世代の方は、まだ年金額を具体的にイメージできないという方も多いです。 次章で厚生年金・国民年金の平均受給額を確認していきましょう。
【70歳代】厚生年金と国民年金は平均いくら?
ここからは厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金・国民年金の平均受給額を確認します。 年金は基本的に2ヶ月分が一度に支給されますが、資料のとおり月額で見ていきましょう。 ●厚生年金の平均受給額(全体・月額) ・〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円 ・〈男性〉平均受給額(月額):16万3875円 ・〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円 ※国民年金部分を含む ●厚生年金の平均受給額(70歳代限定・月額) ・70歳:厚生年金14万1350円 ・71歳:厚生年金14万212円 ・72歳:厚生年金14万2013円 ・73歳:厚生年金14万5203円 ・74歳:厚生年金14万4865円 ・75歳:厚生年金14万4523円 ・76歳:厚生年金14万4407円 ・77歳:厚生年金14万6518円 ・78歳:厚生年金14万7166円 ・79歳:厚生年金14万8877円 全体の平均は14万3973円で、70歳代は平均以上となる世代が多いようです。 ただし、個人差が大きいことには注意が必要です。 ●国民年金の平均受給額(全体・月額) 続いて国民年金も同様に確認します。 ・〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 ・〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 ・〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 ●国民年金の平均受給額(70歳代限定・月額) ・70歳:国民年金5万7320円 ・71歳:国民年金5万7294円 ・72歳:国民年金5万7092円 ・73歳:国民年金5万6945円 ・74歳:国民年金5万6852円 ・75歳:国民年金5万6659円 ・76歳:国民年金5万6453円 ・77歳:国民年金5万6017円 ・78歳:国民年金5万5981円 ・79歳:国民年金5万5652円 上記の厚生年金・国民年金の平均受給額をもとにすると、平均的な夫婦2人分の年金収入は以下のように整理できます。 ・夫:厚生年金&妻:厚生年金=月額約27万円 ・夫:厚生年金&妻:国民年金=月額約22万円 ・夫:国民年金&妻:厚生年金=月額約16万円 ・夫:国民年金&妻:国民年金=月額約11万円 現役時代に夫婦ともに厚生年金に加入し、かつ平均的な年金を受給できたとすると、夫婦の年金は月額約27万円となります。 ここから税金や社会保険料が天引きされるため、決して十分とはいえないかもしれません。 やはり、年金だけで100%生活する高齢者世帯ばかりでないことがわかりますね。 老後では、収入の高さよりも支出とのバランスが重要となります。 老後の生活費は1ヶ月あたりどれくらいなのか、次章で確認していきましょう。