蓮台寺柿で発泡酒とシュトーレン 伊勢「ひみつビール」と「麦」 三重
【伊勢】三重県伊勢市の特産「蓮台寺柿」の認知度向上に向け、市内のクラフトビール会社とパン店が、それぞれ蓮台寺柿を使った新商品を開発した。 ビール会社「ひみつビール」(同市二見町)は、完熟した蓮台寺柿を使った発泡酒「パーシモン」(税込み1100円)をつくった。蓮台寺柿の甘味と麦のうま味、フルーティーな風味で独特のとろけるような口当たりが楽しめる。今月中旬から販売を始め、市内の酒販店などで購入できる。 パン店「麦」(同市本町)は、ドイツの伝統的なパン菓子「シュトーレン」(税込み2700円)の材料に蓮台寺柿を使った。柿をセミドライに加工し、レーズンやアプリコットなどほかのドライフルーツと合わせて生地に混ぜ焼き上げた。同店で、数量限定で販売している。 蓮台寺柿は、約350年前から市内で栽培されていたとされ、市の天然記念物に指定されているが、年々生産者が減少。高齢化や後継者不足、低い利益率などが課題となっている。現状を踏まえ、市や生産者らが、持続可能な生産体制の確立に乗り出す中、ブランド化の一環として、市内の事業者に柿を生かした商品開発の協力を依頼した。 市農林水産課の担当者は「地元の飲食店などの協力で新商品を開発してもらってブランド力を高め、柿の消費拡大と生産体制の継承につなげたい」と話していた。