山口・下関でトラフグ初競り、昨年上回るキロ1万8000円…漁獲量は減るも質は良く
山口県下関市の下関南風泊(はえどまり)仮設市場で4日未明、全国有数の取扱量を誇るトラフグの今年の初競りが行われた。しけの影響などで昨年より漁獲量が減り、一方で質は高く、1キロ当たりの最高値は1万8000円と昨年より2000円高くなった。 【写真】初競りを前に、仕分けされるフグ
競りにかけられたのは、年末年始に萩市沖や長崎県対馬沖などで取れた天然物2・6トン(昨年4・9トン)と山口県、香川県産の養殖物7トン(同10トン)。午前3時25分にベルが鳴ると、仲買人たちは筒状の黒い布の中で競り人の指を握って買値を伝える「袋競り」で競り落としていった。
同市場を運営する下関唐戸魚市場の郷田祐一郎社長(61)は「いい競りになった。本場・下関ならではの目利きと加工技術によるおいしいフグを全国の皆さんに味わっていただきたい」と話していた。
天然物の水揚げが千葉、愛知県などで増え、下関市を取り巻く環境が厳しさを増していることに関しては「危機感はあるが、消費拡大につながる面もある」との見方を示した。そのうえで、加工会社が集積する下関市には各地からフグが出荷されてくることに触れ、「物流は下関が主導していかなければならない。今までの伝統は守りつつ、新しいことにも取り組んでいきたい」と述べた。