のん、堤幸彦監督と初タッグ『私にふさわしいホテル』映画化 「自分の道をこじ開けて進む」主人公に「共感」
俳優、アーティストののんが主演し、彼女と初タッグとなる堤幸彦が監督を務める映画『私にふさわしいホテル』が、12月に公開されることが決定した。出版業界でゴミのように捨てられた新人作家、加代子が文壇へ殴り込む(!?)女子下剋上物語。売れっ子作家になる夢に向かって突き進む、破天荒で明るい加代子を演じたのんは、「加代子のような役柄は、今まで演じてこなかった力強さがあり、無理矢理にでも自分の道をこじ開けて進むところは共感を覚えました」とコメントしている。 【画像】原作者の柚木麻子氏 原作は、柚木麻子氏の同名小説。2008年にオール讀物新人賞を受賞した短編「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む単行本『終点のあの子』でデビューし、15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞、高校生直木賞を受賞。『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『あいにくあんたのためじゃない』など話題作を次々と発表してきた小説家の「いちばん危険な作品」とも称されている。 新人賞を受賞したものの、大御所作家・東十条宗典の酷評により、華々しいデビューを飾ることなく、小説を発表する場も得られなかった不遇な新人作家・加代子。この恨み、晴らさいでおくべきか――。そう決意しながら憧れの「山の上ホテル」に宿泊する加代子の部屋の上階に泊まっていたのは…なんと東十条だった! 大学時代の先輩で編集者の遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を見事落とさせる。だがここからが加代子のさらなる不遇と試練の始まりだった…。加代子VS東十条の因縁の対決は、誰にも予想できない方向へと突き進んでいく!果たして加代子は文壇に返り咲き、作家としての道を歩むことができるのか!? 「文学史上最も不遇な新人作家」の逆襲を描いた本作で、激しくもチャーミングな主人公・加代子をのんが演じ、堤監督が出版業界で不遇の新人作家がいかにして文壇を変えていくのかをコミカルに、そして時にドラマティックに描いていく。 堤監督とえいば、ドラマ『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』「TRICK」シリーズ、「SPEC」シリーズ、映画『20世紀少年』三部作など、あらゆるジャンルでヒット作を生み出してきた。 のんも「堤監督はカリスマ的存在だと思います。私も兼ねてより堤作品に出てみたいな、この作品の中に入りたいなと願っていたので、夢のひとつがかなったような感銘がありました」と語っている。 なお、本作は、加代子が憧れるホテルとして、今年2月に惜しまれながら全面休館を迎えた「山の上ホテル」で撮影された最後の作品となった。 解禁となったティザービジュアルは、のん演じる加代子が小説を書いている1シーン。舞台は昭和。レトロな衣装に身を包み、デスクの前で思案するまるで“先生”のような一枚。山の上ホテルのロゴもあしらわれている。 のんは「この作品を現場にいる全員が面白がって作っている充実感に満ちていて、映画の現場って本当に最高だな!とうれしい気持ちでした」と撮影を振り返り、「たくさんの人の元気と勇気を引っ張り上げる光になると思います」と完成への期待を膨らませている。 堤監督は「なんとも面白カワイイちょっと切ない映画ができてしまった!」と作品の出来上がりに自信を見せ、初ダッグになったのんについては、「何を着てもどんな格好でも(笑)、のんさんは素敵な存在感の演技をする。こぼれそうなメヂカラ、大したマジックだ」と絶賛。 さらに本作をいち早く鑑賞した原作・柚木氏は「デビューしたばかりの頃の自分を重ねて何度も泣きそうになりましたが、書店員さんの機嫌を必死にとる場面では、本当に涙がこぼれました」と語っている。