箱根駅伝「山の神」出現の予感!國學院大浦野、東海大西田、法大青木の3強対決か
國學院大は「浦野の区間でトップに立つ」という戦略で今季の学生駅伝を戦ってきたが、出雲と全日本は浦野でトップを奪うことができなかった。最後の箱根では、絶対エースが自分の仕事を全うするつもりでいる。 「東海大の西田や法大の青木が僕を目掛けてくるようですが、負けるわけにはいきません。僕自身は区間賞争いをしているようではダメだと思っています。個人の目標は『1時間9分切り』がターゲットです。5区は往路のアンカーなので、とにかくゴールテープを最初に切ることを一番に考えています」 5区は最長区間だった時代を除くと、順大・今井正人(現・トヨタ自動車九州)が第81回大会(2005年)にマークした1時間9分12秒が最高タイムだ。現行コースは函嶺洞門バイパスを通ることになったため、旧区間よりも20mほど長い。今井の記録を越えれば、“本物“の区間記録になる。1時間8分台に突入できれば、間違いなく「山の神」になることができるだろう。 前回、1時間11分18秒の区間新で往路のゴールテープを切ったのが西田壮志(東海大)だ。「1時間12分台」が目標だっただけに、「100点満点」の快走だった。しかし、トップの東洋大に届かず、後でゴールした浦野に区間記録を塗り替えられたため、ゴール後に悔しさがこみ上げてきたという。 今季は箱根5区の走りを自信に活躍を続けてきた。関東インカレのハーフマラソンで3位に入ると、日本インカレ1万mでも8位に入賞。出雲駅伝はアンカーを任されて、区間2位と気を吐いた。全日本大学駅伝は4区で区間賞を獲得している。 「1年前より平地の走力は明らかに上がっているので、前回より確実に走れるという手応えはありますね。前回は上りを押し切るだけのスタミナがなく、12km以降は東洋大との差があまり詰まらなかった。でも今回は12~16kmの4kmはもっと走れますし、下りにも自信がある。1時間10分を切って、『山の神』に少しでも近づきたいと思っています」 浦野に比べると目標タイムは控えめだが、往路優勝を狙う國學院大と連覇を目指す東海大が山で並ぶ展開も十分に考えられる。ふたりが競り合うことで、区間タイムはもっと短縮できるかもしれない。