ヤクルト・吉村貢司郎 進化を見せるシーズンに/2年目のジンクスに挑む
ルーキーイヤーのような悔しさは味わいたくない。昨年のドラ1右腕・吉村貢司郎の2年目シーズンが始まった。オープン戦では、規定投球回以上を投げた投手の中では断トツトップの防御率1.35をマーク。抜群の安定感で開幕2戦目の先発の座を射止めた。 【選手データ】吉村貢司郎 プロフィール・通算成績・試合速報 「1年間長いですけど、しっかりと投げ切るというテーマを持って。去年は1年間ずっとは投げられなかったので、そこらへんは意識しながらキャンプも取り組んでいました」 即戦力として期待されて入団し、見事に開幕ローテーション入り。順風満帆に進むかと思われたが……。5月末にチームを離脱すると、上半身のコンディション不良で約3カ月間一軍復帰できなかった。野球だけと向き合う厳しいプロの世界。体の強さが足りなかった。 「やっぱり一からしっかりやっていかないと駄目だなと感じた。体力づくりだったり、全体的にまだまだやらないといけないことは多かった」と吉村。シーズン通して戦い抜く体をつくるため、体重を約4キロ増加。90キロでキャンプインした。食事だけでなく、トレーニングも幅広く取り組み、鍛え上げてきた。 いい効果も生まれた。パワーがついたことで出力もアップ。直球に力強さが加わり、球速以上の威力が出てきた。開幕前最後の登板となった3月23日の西武戦(ベルーナ)では直球と変化球をうまく織り交ぜ5回1安打無失点と好投。「球数も少なく、いいテンポで投げれた」とうなずいた。 そして中日との開幕カードでは2戦目に先発(3月30日、神宮)。3回に先制点を許したが、「気持ちを切り替えて粘り強く投げました」とその後は粘り強い投球を披露。勝ち星こそつかなかったが、7回1失点10奪三振の好投を見せた。進化を見せる2年目。チームのV奪回に貢献する。 写真=BBM
週刊ベースボール