ANAとJAL、グラハン資格を相互承認 地方10空港で7資格
全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)は4月2日、空港でのグランドハンドリング(グラハン、地上支援)業務の資格について、相互承認を1日から始めたと発表した。両社の業務委託先が同じ地方10空港が対象で、人手不足が課題となっているグラハン業務の資格を相互承認することにより、資格者の早期養成や業務効率化などにつなげ、グループの垣根を越えた協力を深める。 【写真】福岡空港でグラハン車両の共用化を検証するANAとJAL 対象業務は機体の地上移動や、貨物・手荷物の搭降載・搬送などのランプハンドリング業務。基礎的な資格を中心に7資格を対象にした。相互承認により、ANAとJALで1年ずつ計2年かかっていた作業資格の取得期間を1年に短縮できる。 相互承認する空港は、利尻、根室中標津、函館、秋田、仙台、新潟、岡山、徳島、高知、鹿児島の地方10空港。両社の委託先が同じであることから選ばれた。 ランプハンドリングの作業資格は航空会社ごとに定められており、同じ作業内容でも各社の資格取得が必要。作業資格をANAとJALが相互承認することで、どちらか一方の訓練後に資格を取得すれば、両社の作業に従事できる。また、両社便を取り扱う事業者は、訓練日数の大幅な削減につながる。 国土交通省は2023年6月に「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」を公表。地方空港でグラハン事業者の効率的な人員体制の構築を進めており、ANAとJALの相互承認もその一環で、同年11月24日に相互承認の検討を始めたと発表した。 また、同年8月25日には業界団体「空港グランドハンドリング協会(AGHA)」を設立。人手不足が課題となる中、系列の垣根を越えて空港業務を安定的に発展させていくことを目的に立ち上げた。
Tadayuki YOSHIKAWA