「国民民主党の躍進はブームではない」山本一太群馬県知事、名古屋市長選結果受け
衆院選で当選した河村たかし氏の市長失職に伴う名古屋市長選(24日投開票)で、河村氏が後継指名した日本保守党推薦の広沢一郎氏が自民、立憲民主、国民民主、公明4党推薦の前参院議員、大塚耕平氏に13万票差で圧勝した結果について27日、群馬県の山本一太知事は、衆院選で見られた国民民主党の躍進は「ブームではなく、保守票が流れただけだった」とした。そのうえで、兵庫知事選に続き今回の圧勝劇を予測できなかった既存メディアは「有権者から遊離し始めているのではないか」との見立てを示した。 【写真】名古屋市長選で初当選を決めた広沢氏は河村氏らから祝福の氷水をかけられた 定例会見での質問に答えた。山本知事は敗れた大塚氏について「候補としては最高の人材。政策に通じ人柄、見識、どれをとっても有能な方を、今をときめく国民民主が満を持して送り出した。そのうえ4党が相乗りして完敗、驚いた」。 「国民民主は玉木(雄一郎)代表、榛葉(賀津也)幹事長も応援に駆けつけながら敗れた。結局、衆院選での躍進はブームではなく、自民を避けた保守票が流れただけだったということだ」と分析した。さらに大塚氏は広沢氏ではなく河村前市長と戦って敗れたとの見立てを示し、「河村さんは、こと選挙に関しては天才的で私も勝てないし、絶対、選挙で争いたくない人だ」と語った。 兵庫県知事選同様、大半が「大接戦」と報じながら予想を外した既存メディアについても指摘。「米国ほどではないが、日本のメディアも有権者の意識を吸い上げることができなくなっていると思う」とした。米国大統領選では既存メディアに強烈な不信感を抱くトランプ支持者らがメディアの事前調査に応じず、調査に応じたハリス支持者の声が反映し「大接戦」「ハリス氏一歩リード」などの予想となったとされる。 こうした現象の背後に、インターネットの普及を挙げ、「デジタルディバイド(情報格差)などといわれるが、高齢者も多くがスマホを手にネット環境にアクセスしている。その意味でも選挙におけるネット戦略が今後、本当に重要になる」と語った。