給特法は枠組み維持、抜本的改正は議論なし 教職調整額は10%
公立学校の教員の給与を巡る文部科学省と財務省の議論は24日、残業代を支払わない代わりに給料月額の一定割合を上乗せする「教職調整額」を4%から段階的に10%に引き上げることで決着した。財務省は将来的に、教職調整額を規定する教員給与特別措置法(給特法)を廃止し残業代支払いに移行することを示唆していたが、給特法は維持されることになった。 24日夕、それぞれの大臣が予算案について合意した。教職調整額は、2030年度までに毎年1%ずつ引き上げる。調整額が上がるのは1972年の給特法施行以来初めて。財務省が当初主張していた業務削減などの条件は付けない。給特法の課題の整理も進めるが、抜本的な改正や廃止は議論されない見通し。 文科省と激しい議論を交わしてきた財務省関係者は「どっちが勝った負けたではない。勝ったとしたら現場の方々。大変な現実が文科省や財務省に届き、結実したということだ」と話し、「ノーサイド」を強調した。 文科省と財務省は働き方改革の加速や教員定数の改善でも合意。残業時間は29年度までに月30時間程度に縮減することを目標とする。文科省は管理職や担任の負担が重いとして手当を改善するよう要求していたが、管理職手当の増額は見送られた。 また、中学校で26年度から順次、35人学級を導入する。文科省が要求していた小学校3、4年への教科担任制拡大は4年のみが対象となる。【斎藤文太郎、山下貴史】