『おむすび』橋本環奈と仲里依紗の確執は解消するのか 朝ドラで描かれてきた姉妹の関係
『おむすび』同様、姉妹間の確執が描かれた『おかえりモネ』
2019年度後期の『スカーレット』では、ヒロイン・喜美子(戸田恵梨香)は3姉妹の長女で、貧しい家計を助けるために、中学卒業後に下宿屋の女中として働くことに。4歳下の妹・直子(桜庭ななみ)は、自己中心的で反抗心が強く、家事の手伝いは大嫌いで、喜美子を困らせる。空襲時に喜美子と一緒に逃げた際、人混みで繋いでいた手が離れ、取り残された恐怖体験がトラウマとなった直子。喜美子も、その件では直子に負い目を感じ、妹のわがままな態度に強く出られない。 反対に、8歳下の妹・百合子(福田麻由子)は、穏やかでおっとりとした性格で、成長するにつれて、喜美子の良き相談相手に。3姉妹の真ん中の直子は、やや問題児ではあるが、『スカーレット』は、基本的に仲の良い姉妹関係が描かれた朝ドラだった。 2021年度前期の『おかえりモネ』では、ヒロイン・百音(清原果耶)と、2歳下の妹・未知(蒔田彩珠)との間の確執が描かれた。東日本大震災の際、自宅のある亀島にいなかった百音は、家族や同級生と被災経験を共有できず、何の力にもなれなかったことに苦悩を抱え続けてきたが、島を出て気象予報士を目指し、気象情報で地域の役に立てるようになろうと決意する。 東京で、お天気キャスターとして脚光を浴びるようになった百音に対し、未知は「誰かが残んなきゃ」と地元から離れず、水産業の仕事に就こうと水産研究を始める。そして、未知は子どもの頃から亮(永瀬廉)に好意を抱いていたが、彼が心を許せる存在は百音だと知り、「何でお姉ちゃんなの」と心に痛みを抱える。 百音にとって、妹の未知はとても大切な存在だが、姉妹の間には距離ができてしまう。未知が百音に、「お姉ちゃん、津波見てないもんね」と言った時には、観ているだけで胸が張り裂けそうになった。切ない姉妹関係が綴られた朝ドラとして、ずっと記憶に残っている。 そのほか、2020年度前期の『エール』や、2022年度前期の『ちむどんどん』でも、ヒロインとその姉妹が描かれてきた。どちらも特に確執などはなく、良好な姉妹関係だったと記憶している。『おむすび』も、結が歩の本心を知ることで、少しでも早く仲直りできることを願うばかりだ。
清水久美子