中国電力が、島根原発２号機の再稼働に備える中、万が一の重大トラブルを想定したシミュレータ施設での対応訓練を19日に報道陣に公開しました。 島根原子力発電所の敷地内にあるシミュレータ施設。原発１号機と２号機をコントロールする中央制御室が完全再現されています。 櫃田優果記者： こちらでは、原子炉の水位が急激に低下したという想定で、電源の復旧訓練が行われています。 施設内に異常を知らせる警報が鳴りはじめると、運転員と呼ばれるスタッフ全員で状況を確認。安定して冷却できる状態に復旧するため、発電機や代わりの冷却設備の起動を試みます。 想定では、通常であれば問題なく稼働する装置も起動せず、代わりの手段で対処するという厳しい状況が設定されていて、事前に想定を知らされていない運転員たちの知識と技量が試されます。 中国電力島根原子力本部発電部・田中克敏課長： 厳しい訓練でしたが、当直長、副長の指揮を中心に、落ち着いて対応できたと思う。 島根原発では、原子炉を停止させてから約12年が経ち、すでに廃炉作業に入っている１号機も含めた運転員総勢64人のうち、半数以上の39人が実際に原子炉を稼働させたことのない未経験者になっています。 このため2024年12月の再稼働をめざす２号機にとっては、運転スタッフの絶え間ないスキルアップが最も重要な要素のひとつになっています。 中国電力島根原子力本部発電部・田中克敏課長： 若手の経験値というところはありますが、シミュレーション訓練も繰り返していますし、ベテランの当直長などの指揮をもとにチーム全体として対応するので、万全に対応できると思う。 こうしたシミュレータを使った訓練は、2023年は年間168日行ったということで、中国電力では、安全運転能力の向上に努め、今回の報道公開など情報提供も適宜続けていくとしています。