力走する村竹ラシッド＝７日（撮影・吉澤敬太）

　パリ五輪の陸上競技日本代表が１１日、羽田空港に帰国した。その後は空港内で取材に応じ、男子１１０メートル障害５位の村竹ラシッド（２２）＝ＪＡＬ＝が大会を振り返った。 【写真】「魂のトルソーでした」決勝で５位　笑顔の村竹ラシッド 　初出場の五輪で、同種目日本勢初の入賞を果たした。世界の強豪と対等に渡り合い「簡単な言葉にはなってしまうけど、本当に楽しい舞台だった」と充実感をのぞかせた。ただ、ここまで戦えただけに、メダルを持ち帰ることができなかった悔しさが後になって沸いてくる。「悲観する順位ではないけど、メダル獲得が見えていたところと、最後は４位の選手に０秒０１差で競り負けって締まった部分もあって、楽しかったという思いと、今は沸々と悔しさが込み上げてきている」と話した。 　この悔しさは来年９月に東京開催で行われる世界陸上へぶつける。「メダルを取ることが目標。より良い色のメダルを目指して、あと一年間しっかり練習を積んで、来年の国立でその成果を発揮できたら」。すでに、パリ五輪のレース映像分析に着手しており、「抜き足が遅れてしまう部分が多かった。海外選手は（抜き足が）鋭い」と課題も見つかった。 　決勝前の選手紹介では人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する、独特なポージングである“ジョジョ立ち”を披露。国内で話題を集めたシーンだったが、大胆な行動に出た理由も明かした。「決勝前はだいぶ緊張していて。決勝進出が決まるまでずっと待っていたわけなので、それでちょっと憔悴（しょうすい）しきって」とナーバスに陥っていた。 　「一番大事にしなきゃいけない試合を楽しむことを忘れていたなと思って、そこから一人一人選手紹介であのような登場ができるので、何かインパクトを残せるかなと思ったときに自分、ジョジョが好きなのでやろうかなと」と気持ちを高めるための“ジョジョ立ち”だったことを明かした。