“トルメンタ旋風”で主役も「順風満帆ではない」 選手権で大ブレイク…プロ目指す逸材の今
「1つ伝えたら考えて受け止められる選手」さらなる成長に恩師も期待
話題になろうが、注目度が上がろうが、彼はブレることなく自分の道をいく。そんな林にはいつも気にかけてくれる熱いサポーターがいる。高川学園高校サッカー部の江本孝監督は、時折関東に指導者としての勉強をしにやってきては、その度に教え子の試合を見にきている。 9月下旬にホーム・明治大学八幡山グラウンドで行われた関東学生サッカーリーグ1部の第12節桐蔭横浜大戦では、足を運んだ江本監督の前で林はゴールを決めて見せた。 「晴己は人の話をしっかりと聞ける選手だし、こっちが1つ伝えたら、それだけではなくその奥にある意味なども考えて受け止められる選手。ここから頑張ってほしい」 その言葉を林に伝えると、照れくさそうにしてこう口にした。 「トルメンタをはじめ、高校時代は江本監督に指示されてやるのではなく、自分たちで考えて作り出すという環境でした。トルメンタがあれだけ認知されたことは、その時はただ『嬉しいな』と思っていたのですが、今思うと僕らの発想を尊重してくれて、やらせてくれた江本監督をはじめとしたスタッフの皆さんへの感謝の気持ちが大きいです。明治大では栗田大輔監督が人間として大切なことを教えていただいていますし、自分の武器を磨くというところ、ハイレベルな仲間と切磋琢磨できる環境でプレーをさせてもらっている。人に恵まれていると思います」 謙虚に、かつ貪欲に。「明治大で必死にやり続ければ、夢は叶えられると思う」と口にする技術と人間力を兼ね揃えたサイドアタッカーの躍動に目が離せない。
FOOTBALL ZONE編集部