憧れのタワマン暮らしだったはずが、一転「避難生活」を送るハメに?…人気の高い「中高層階」に潜む“深刻なリスク”とは
非常用トイレの整備が進んでも災害時の問題を解決できないワケ
そうした災害時に備えて、近年は行政がマンホール直結の非常用トイレの整備や、トイレ用に使える井戸の確保に力を入れているが、それらをタワーマンションの中高層階に住んでいる人が使うには、エレベータが動いていることが前提となる。 もし停電でエレベータが止まっていたら、中高層階に住んでいる人は用を足したり、トイレを流す水を運んだりするために、1日に何度も十数階の階段を上り下りしなければならないのだ。 2019年には武蔵小杉のタワーマンションで、電気設備のある地下施設が浸水して全棟停電となり、電気も水道もエレベータも長期間使えなかったというトラブルもあった。住人のなかには、約2週間もの避難生活を余儀なくされた人もいたという。 災害などによって停電が発生すると、完全復旧までには通常約1週間はかかるとされている。タワーマンションは魅力的だが、中高層階に住むことを考えているなら、こうしたエレベータリスクがあることは覚えておきたい。 榊 淳司(監修) 不動産ジャーナリスト 東京・首都圏 後悔しない住環境リサーチの会(著)
榊 淳司,東京・首都圏 後悔しない住環境リサーチの会