ディフェンスが機能し第2戦を制した広島…迎える最終決戦へは「自分たちはやり切るだけ」と朝山正悟
5月26日、『日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24』ファイナルの第2戦が横浜アリーナにて行われた。試合は、第1戦で敗れて琉球ゴールデンキングス(西地区2位)に王手をかけられていた広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード上位)が72-63で勝利。勝敗を1勝1敗のタイに戻し、逆王手をかけた。 第2戦、後のない広島は第1クォーターを21-14と好スタートを切る。その要因の一つがスイッチディフェンスで、「相手のサイズある選手たちがスイッチを多用してきたところで、ボールが止まってしまいました」(琉球・牧隼利)と、相手のオフェンスリズムを狂わせることに成功。攻めてはドウェイン・エバンスらで得点を挙げて、リードを奪ったのだ。 第2クォーターではジリジリと琉球の追い上げに遭い、30-34と終盤に逆転を許して前半を終えたが、「今日はディフェンスのコート上でのコミュニケーションが素晴らしかった」(エバンス)というディフェンスが後半も機能。一進一退の展開となる中、第4クォーター序盤には要所を締めるシュートでリードを広げると、広島がそのままペースをつかむ。 そして残り4分32秒では琉球の戦意をくじくような山崎稜の3ポイントシュート。これは、リバウンド争いのこぼれ球をニック・メイヨが前にいる中村拓人へ弾き、ボールを保持した中村がリングに向かって切り込むと、最後はディフェンスを交わしながらノーマークの山崎にパスをしたプレーだったが、この好プレーに広島のブースターは大盛り上がり。一気に流れは広島へと傾き、そのまま広島が琉球の追い上げを振り切り、試合終了を迎えた。 「シュートが上手い選手なので『入るな』と思っていましたし、信頼関係というか、僕自身はノーマークであったらどんどんパスを出したいと思っていて、常にそういう話はできています」と、山崎のシュートについて語ったのは、シュートをお膳立てした司令塔の中村。中村は、第2戦ではゲームメークだけでなく、「ノーマークであれば強気で思い切ってうとうと思っていた」と、自らも積極的にシュートを放って13得点。勝利に大きく貢献した。 「タフなバトルでした。昨日(第1戦)の後半のような出だしを(今日は)前半から出していけたと思います。そういったリズムが出だしから作れたので、私たちは40分間、自信を持ってそれを続けられたのだと思います」と、記者会見の席で語ったのは広島のカイル・ミリングヘッドコーチ。さらに「今日はリバウンドがメイン。第1戦で琉球にやられたが、今日は(アイザイア)マーフィーらガード陣がアグレッシブにリバウンドをやってくれた」と、指揮官はディフェンスのみならず、要所でのリバウンドも勝因に挙げていた。 ワイルドカードから『下剋上』と言われる戦いぶりでファイナルまでたどり着いた広島。初のファイナルでも堂々とした戦いを見せ、初優勝まであと一つなった。もちろん、第3戦は第2戦のようにはいかないだろう。