人類の2大脅威、地球環境の危機とAIの進展…ドイツ・ボン大学のガブリエル教授に聞く
人工知能(AI)革命が急激に進む21世紀を人間的な「価値の世紀」にすることをめざして設立された「京都哲学研究所」(共同代表理事=出口康夫京大教授、澤田純NTT会長)のシニア・グローバル・アドバイザーに就任したドイツの著名な哲学者マルクス・ガブリエル独ボン大学教授(44)に話を聞いた。
ガブリエル氏は地球環境の危機とAIの進展を21世紀の人類の2大脅威に挙げ、AIについては「人類の道連れ」と受けとめつつ、慎重に対処することの重要さを指摘した。また日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が今年のノーベル平和賞を受賞することをめぐり、戦後日本が被爆体験を含む第2次大戦の「記憶と共に歩んできた」ことの意義を強調し、新たな東西対立の時代に「日本には世界平和の構築に向けて主導する資格がある」と述べた。
同氏はこのほど京都哲学研究所が東京で催した特別賛助会員向けセミナーと、京都で開いた公開講演会に参加するために来日していた。