故ジョブズの妻とメキシコの富豪の巨大豪華ヨット2隻がイタリア沖で接触事故
世界の富豪ランキングに名を連ねる2人がそれぞれ所有する世界で最も有名な豪華ヨット2隻が今週、イタリア南部のナポリ沖に停泊中に軽い接触事故を起こした。 【画像】ジョブズの未亡人ローレン・パウエル・ジョブズが所有する豪華ヨット「ビーナス」 メキシコの富豪、リカルド・サリナス・プリエゴは7日、所有する巨大ヨット「レディ・モウラ」の乗組員が汽笛を鳴らしたり、叫び声を上げたりして注意喚起しようとする中、洗練された外観のヨットがレディ・モウラに向かって漂流してくる様子をとらえた動画をインスタグラムで公開した。 サリナスによると、漂流していた船はアップルの共同創業者スティーブ・ジョブズのために建造されたことで知られ、現在はジョブズの未亡人ローレン・パウエル・ジョブズが所有している豪華ヨット「ビーナス」だという。 映像では、ビーナスがレディ・モウラの側面にぶつかって跳ね返され、後方に流されていく様子が映っている。 レディ・モウラに大きな損傷はなかったが、船体には「大がかりな修理が必要になりそうな大きな傷」が残ったとサリナスは投稿。そして、パウエル・ジョブズが修理費用を支払うのを助けるために、自身が経営する小売チェーンのグルーポ・エレクトラでアップル製品を購入するようフォロワーに呼びかけた。 Media Group Denmarkのニュースサイト、ダーゲンスが報じたところによると、富豪のオーナーらはどちらも事故当時、乗船していなかったという。 サリナスは「船長と乗組員が、私のヨットほどの大きさのものに気づかず、何をしていたのか知りたい」とインスタに投稿し、「世界には間抜けがごまんといるということだ」と続けた。 建造費1億2000万ドル(約177億円)のジョブズのヨット、ビーナスは2009年に着工され、3年後に完成した。設計を手がけたのはフランスの工業デザイナーで建築家のフィリップ・スタルクだ。なめらかなラインで、総重量15トンのガラスの壁を用いるなど、アップル製品を彷彿とさせるデザインになっている。ジョブズ自身は全長78.2メートルのこのヨットに乗ることはなく、完成前に亡くなった。 一方、レディ・モウラは1990年に進水して以来、世界で最も豪華なヨットの1つとして知られている。全長約105メートルで、27人のゲストと72人の乗組員・スタッフを収容できる。 パウエル・ジョブズの8日時点の推定資産は144億ドル(約2兆1237億円)で世界富豪ランキング第126位となっている。パウエル・ジョブズは、2011年に亡くなった夫のジョブズから財産の多くを相続した。投資や慈善事業を行っているエマーソン・コレクティブとウェイバリー・ストリート財団を創設し、慈善団体に数十億ドルを寄付することを約束している。 サリナスは祖父が1950年代に設立した上場企業グルーポ・エレクトラの後継者で、金融・小売企業とメキシコ第2位のテレビ放送局のTVアステカも経営している。8日時点の推定資産は100億ドル(約1兆4748億円)で、世界富豪ランキング第221位だ。
Mary Whitfill Roeloffs