【対談】北(ルサンチマン)×オサキアユ(さよならポエジー)「“ロックとは”みたいな指標があって、ルサンチマンはそれにぴったりなんですよね」
――北さん、さよならポエジーのニューアルバム『SUNG LEGACY』はどうでした? 北 いや、もう最高ですよね。もう言うことないぐらいに。「絶滅の途中で」っていう曲が、結構人柄を体現してるような歌詞だなって思って歌詞を書き起こしたんです。で、名古屋で会った時に「これ書き起こしたんですけど合ってますか」って言ったら―― オサキ 全然違った。 北 めっちゃ間違えた、変な言葉遊びみたいなの入れちゃって。「それ全然違うだろ」って言われて、めっちゃ恥ずかしかった(笑)。 オサキ そこまで言ってないみたいな。「オサキならこう書くだろう」ぐらいの感じで。 北 やっぱりまだまだ浅かったですね。 オサキ あの曲、俺もすごく好きだし、自分の中でもすごく歌いたい曲なんやけど、キーがしんどくて。今回のツアーで何回か演奏したんですけど、サビで本当に声が出ないんですよ。自分がいちばんいいなと思う曲を歌われへんって、俺また面白い人生歩んでるなって思って。今日も不器用やってんなって、自分のことまた改めて好きになったわ。 北 それいいですね。めちゃくちゃ面白い。 ――そのツアー、ルサンチマンも九州の3本に出演します。 オサキ でも僕ら、九州にラーメン食べに行くだけですよ。その片手間で音を鳴らし合うだけです。 ――いちばんいいじゃないですか。 オサキ めちゃくちゃいいよな。ごはんの隣の音楽があるって。普通、逆やけど。 北 めちゃくちゃ美味しいラーメン食べに行きましょうね。僕ら、大分と長崎は行くのも初めてなんで。 オサキ ルサンチマンを福岡に誘うっていうのは決定事項だったんです。しかもなるべく連チャンとかでやりたいってところまで頭の中にあったんで、OKしてくれて助かったというか。 ――それは断れないですよね。 北 いやいや、待ってましたから。 オサキ ずっと言ってましたからね。「断れない」っていう権限すら使ってやろうと思って。「先輩やから断れないなあ」をフルで活用しようと、ちゃんと電話で誘いました。 ――さよならポエジーも先輩といっぱい対バンやってきてますけど、いよいよ後輩も増えてきてるじゃないですか。憧れたりすることも増えたと思うんですけど、それはどう感じていますか? オサキ まあ、否定すると嘘になる。バンドマンに好きですって言ってもらうことも嬉しいんですけど、言われるとそのバンドのことを好きになりたいって思うじゃないですか。でも自分はこんな感じだから、そうならないバンドマンもいたりとかして、すごくもどかしい気持ちになるんです。僕も先輩の人に対して「好きです」とか言いに行ったことがほぼないんですよ。その段階で上下ついちゃうなみたいなのが嫌やし、せっかく音楽っていう、ある種格闘技みたいなことをやってるのにラブコールを送ったら、人間関係の道中とか結末も変わりそうだから。別に北がラブコール送ってくれることに違和感あるとかじゃないんだけど。 北 うん。僕も今だったら言わないですよ。 オサキ それは嫌とかじゃないし、BLUEPORTにこいつらが来てくれた時に僕が好きってなっちゃったんで。むしろルサンチマンは僕の中のロックに結構当てはまってるんですよ。あんまり人に言ったことないですけど、「ロックとは」みたいな指標があって、ルサンチマンはそれにぴったりなんですよね。 北 初めて聞きました。 オサキ 「ロックって何ですか」って言われたら、僕の中では「乞わないこと」なんですよね。欲しがらない、求めないことを僕はロックだと思ってるんですよ。自分の力で何かを起こすとか。BLUEPORTのライブを観た時に、自分から雑巾絞ってるような、その一滴みたいな感じがあった。コンテストで賞賛されたり、いろんな賞とかもらったりしたのかもしれないけど、それをあんまり気にしてないというか、自分が燃え尽きてやろうという感じでやってるから、それが自分が思うロックバンドの輪郭をしてるというか。だから好きですね。 北 そういうのはダサいからやってないだけですけどね。たとえばさよならポエジーと対バンしたんですとか、そういうのって別に自分の中のひとつのトロフィーであって、別に外に発信するものじゃないので。当たり前にかっこいいと思ってないというか。理念のままに動いているだけだから、それがたまたま合致してる人が、自分の師匠というと固いですけど、すごい信頼できる人に当てはまったっていう。 オサキ 北が「こんな人になってみたい、こんなバンドをやりたい」ってところに、俺が一歩先二歩先を歩いてるのかもしれないな、そうだと良いけど。 Text:小川智宏 Photo:中山涼平 ■ルサンチマン <ツアー情報> TOUR→HOME ツアー 5月30日(木) 心斎橋 Live House ANIMA ゲスト:リュックと添い寝ごはん 6月3日(月) 名古屋 CLUB UPSET 6月6日(木) 渋谷 Spotify O-Crest 6月28日(金) 京都 nano 7月24日(水) 名古屋 K.Dハポン 7月25日(木) 心斎橋 Live House Pangea 8月4日(日) 下北沢 SHELTER ゲスト:mudy on the 昨晩 ※5月30日(木) 心斎橋、8月4日(日) 下北沢以外はワンマン <イベント情報> RESURRECTION 6月27日(木) 金沢 vanvanV4 ■さよならポエジー <ツアー情報> さよならポエジー 4th Album「SUNG LEGACY」Release Tour『No』 ※終了公演は割愛 5月21日(火) 長崎studio Do! 5月23日(木) 福岡LIVE HOUSE OP's 5月24日(金) 大分club SPOT 5月26日(日) 広島4.14 6月2日(日) 奈良NEVERLAND 6月6日(木) 心斎橋BRONZE 6月19日(水) 神戸太陽と虎 6月23日(日) 周南rise 6月26日(水) 名古屋HUCK FINN 6月29日(土) 高知X-pt. 6月30日(日) 高松TOONICE 7月4日(木) 新潟CLUB RIVERST 7月5日(金) 仙台enn 2nd 7月7日(日) 札幌KLUB COUNTER ACTION 7月19日(金) 松本ALECX 7月30日(火) 八王子RIPS 7月31日(水) 水戸LIGHT HOUSE 8月2日(金) 京都MUSE 8月9日(金) 岡山CRAZY MAMA 2nd Room 8月17日(土) 神戸BLUEPORT. 8月23日(金) 心斎橋BRONZE 9月1日(日) 渋谷Spotify O-EAST