韓国憲法裁、弾劾審判の弁論準備を27日に開催…主審は無作為抽選で尹氏指名の保守派判事に
【ソウル=依田和彩】韓国の憲法裁判所は16日、裁判官会議を開き、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾(だんがい)審判に向けた1回目の弁論準備手続きを27日に行うと決めた。罷免(ひめん)宣告まで約3か月かかった2016~17年の朴槿恵(パククネ)大統領(当時)弾劾と同じペースで手続きが進んでいる。
審判を統括する主審には、尹氏が指名した保守派の鄭亨植(チョンヒョンシク)判事が選ばれた。聯合ニュースによると主審はコンピューターによる無作為抽選で決まるという。
憲法裁は定員9人の裁判官のうち3人が10月に退官し、空席となっている。憲法裁の広報官は16日、「6人で審理、弁論ともに可能だ」との見解を示した。
しかし、尹氏を罷免するには6人全員が賛成する必要がある。左派系最大野党「共に民主党」は16日、補充する裁判官の候補者3人に対する聴聞会を23、24日に行い、30日に国会本会議で任命同意案を採決するよう与党「国民の力」に打診した。
憲法裁は弾劾訴追案の可決翌日の15日を起点とし、180日以内に審判を完了させる必要があり、来年6月12日が宣告の期限となる。
公職選挙法違反(虚偽事実公表)の罪に問われた「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表は、早ければ5月にも大法院(最高裁判所)で判決が確定し、被選挙権を剥奪(はくだつ)されて次期大統領選に出馬できなくなる司法リスクを抱えている。このため、「共に民主党」は、弾劾審判を迅速に進めたい考えだ。