松下洸平の無表情からすべてが伝わる…8話かけてじっくり描いた”牧野”の成長とは?『放課後カルテ』第9話考察レビュー
目は口ほどに物を言う
そして、極めつけが「牧野先生は僕に嘘ついたことないもんね」という言葉へのリアクション。牧野が言葉を返すことはないのだが、目の小さな動きで「嘘をついてしまったかもしれない」という動揺を伝え、まさに“目は口ほどに物を言う”シーンに。 直明の初登校を見守る無表情さえも優しさがにじみ出てくるように感じてしまうのは、松下贔屓が過ぎるだろうか。セリフがなくともきちんと見ていれば十分に伝わる。9話のラストでも、牧野がこれまで患者として向き合った生徒たちが、保健室に訪れる様子が次々と映し出される。 啓のナレーションがありながらのシーンで牧野に目立った言葉はないのだが、児童それぞれと様々な接し方をしているのを見ていると、保険医として学校で過ごしてきた月日がしっかりと感じられる。牧野自身も少しずつ変わり、前に進んできたのだとわかる一連の流れは個人的にも大好きなシーンだった。 成長を続けてきた牧野は、最終話では過去の患者である真琴(三浦綺羅)と向き合うことに。子供との距離感や寄り添い方を身につけた彼が、過去の苦い経験をどのように乗り越えていくのか。最後の最後まで子供たちとともに歩み続ける牧野から目が離せない。 『放課後カルテ』(日本テレビ系) 毎週土曜よる9時放送 【著者プロフィール:まっつ】 1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
まっつ