火星の「謎の穴」の話題が再燃…地球外生命体がいる?宇宙飛行士の住居になる?(海外)
火星に生命は存在するのか
こうした穴は、火星で地球外生命体の証拠を探すにあたって最適な場所かもしれない。というのも、火星の過酷な表面から逃れられる、安全で温暖な避難場所になる可能性があるからだ。 たとえば、月にある溶岩洞のなかには、華氏63度(摂氏およそ17度)に保たれているものもある。これは、その中で生命が誕生するのに充分な温度だ。火星の溶岩洞がこうした温度になるかはわからない──ありえない話ではないが、確証を得るのは難しい。 現時点では、この穴について科学者が得ている情報は、火星を周回する軌道上にあるカメラから見えるものにかぎられる。冒頭で紹介したHiRISEカメラは、アメリカ航空宇宙局(NASA)が2005年に打ち上げた火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter)」に搭載されているもので、当時は、地球軌道を離れたものとしては史上最強の望遠鏡だった。以来、8万枚を超える写真を撮影し、火星に関する知見に変革をもたらしてきた。だが、それでも限界はある。
Ellyn Lapointe,Jessica Orwig