中教審教員養成部会、教員免許取得の課程認定基準改正案を了承 中学校の教職課程で小学校教員の免許取得も可能に
文部科学大臣の諮問機関、中央教育審議会(中教審)の初等中等教育分科会教員養成部会は2023年9月28日、会合を開き、教職以外の専門性を身につけた教員を増やすため4年制大学に二種免許状の教職課程を設置できるようにする教職課程認定基準の改正案と、中学校の教職課程で小学校教員の免許も取得できる特例制度の改正案を了承した。いずれも25年度入学者から開始する。また、休止していた高校教員の資格認定試験(科目は情報のみ)を2024年度より再開する教員資格試験認定試験規定の一部を改正する省令案も了承した。 この記事の画像を見る
学生が資格取得や海外留学など専門性を身につける活動と教職課程を両立しやすく
2022年12月の中教審答申に基づき、学生が自らの強みや教職以外の専門性を身につける活動と教職課程履修の両立を可能にしようと、4年制大学に二種免許状の教職課程の設置認定を受けることができる特例を設けた。この特例を活用して新規で教職課程を設置する大学の申請は24年3月に受け付け、審査を経て25年度入学者から始める。 大学で小中学校の一種免許を取得するには卒業要件(124単位)に加え、教職課程(59単位)の履修が必要。教員養成系以外の学科では、学生の負担が大きく、他の資格取得や海外留学など自分を高めるための活動との両立が難しかった。 これを踏まえ、大学に小学校で37単位、中学校では35単位の履修で取得可能な二種免許の教職課程の設置を認めるようにして、教職を目指し、他の学びもしたい学生の負担を減らす。心理や福祉、障害児発達支援やデータ活用などの専門性と教職の相乗効果を見込んでいる。 一種免許と二種免許で職務内容に違いはなく、管理職になることも可能。ただし、法律上、二種免許の保有者は一種免許へ上進する努力義務がある。 これについて、委員からは「多様な経験や学びを経験した学生が教職に就くことは、組織内の多様性が上がるということ。強みを強みとして生かすためには、学校をチームとして駆動させる校長の力量が重要になる。今回の改正が生かされるかはそこにかかっている」と注文がついた。