懐かしいから? 現実逃避? 自分のために「おもちゃ」を買う大人がますます増えている(海外)
アメリカでは2023年、おもちゃの売り上げが減ったものの、大人による購入は増えたという。 大人による購入は2023年のアメリカのおもちゃの売り上げの17.3%を占め、67億ドル(約1兆350億円)にのぼったという。 多くの大人の消費者はノスタルジーに駆られ、メーカーはそれをフルに生かそうとしている。 アメリカではおもちゃの売り上げが減る一方で、昔を懐かしむ大人がけん引する売り上げは伸びていることが最新調査で分かった。 大人がおもちゃやゲームを買うのは珍しいことではないが、近年、世界市場に占めるその割合が大きくなっていると、調査会社サカーナ(Circana)のグローバル・トイズ・インダストリー・アナリストのフレデリック・トゥット(Frédérique Tutt)氏はBusiness Insiderに語った。 アメリカでは、大人によるおもちゃの購入は2023年のアメリカ全体の売り上げの17.3%を占め、金額にして約67億ドルにのぼったとトゥット氏は話している。 前の年から8%伸びたという。 トゥット氏によると、ヨーロッパでも同じような傾向が見られる。2023年のおもちゃとゲームの売り上げに占める18歳以上の割合は約16%で、売り上げは26億ユーロ(約4240億円)にのぼったという。 「キッダルト(Kidult)」市場の成長は「世界的な現象」で、特に日本や韓国といったアジアで顕著だと同氏は話している。 同氏によると、この傾向はコロナ禍で加速した。可処分所得の増加と余暇の時間が増えたことが影響した。 今ではノスタルジックな現実逃避の傾向がこれをけん引しているようで、メーカーは大人たちの"子どもの頃に好きだったもの"の記憶をフルに生かそうとしているとトゥット氏は指摘した。
Joshua Nelken-Zitser