人は話の「2割」しか記憶できない…「ロジカルなのになぜか伝わらない人」がハマっている落とし穴
■なぜ新しい家電の取扱説明書を最後まで読まないのか あなたは、“取扱説明書”を最初から最後まで読んだことはありますか? スマートフォンや家電などを新しく購入したときに同梱されていますが、実際に読んでいるのは、使用するのに最低限必要な情報だけではないでしょうか? 新しい家電製品を使い始めるときを思い出してみてください。 ワクワクしながら箱を開け、早く使いたい気持ちでいっぱいでしょう。 初期設定で分からないことがあれば、すぐに取扱説明書を開いて一生懸命読むはずです。 一方で、いま使わない機能の説明ページは、必要になったときに読めばいいやと思いながら、説明書は棚の中へポイ。そのまま存在が忘れ去られることはよくあります。 せっかく買った商品なのに、なぜ取扱説明書をじっくり読まないのか。 この問いに対する答えが、そのまま「説明」がうまくなるためのヒントになっています。 ■人間の脳は必要な情報しか受け入れられない 人間の脳は、余計なことに容量を使いたくないため、必要な情報のみにフォーカスするようにできています。 逆に言えば、いま必要なことだけ説明されれば、人は満足するということでもあります。 ところが、多くの人は、たくさんの情報を伝えたほうが聞き手のためになると勘違いしてしまっています。 すでに分かりきった話を一から説明したり、めったに生じない事例を長々説明したりと、とにかく多くの情報を盛り込んでしまいます。 しかし、聞き手が求めているのは「いますぐ必要な情報」だけです。 そのほかは、また必要になったら話してくれればいいのです。 余計なことを伝えれば伝えるほど、本当に必要な情報は埋もれていきます。 たくさんの情報を伝えようとすると、もしあなたが説明の中で有益な情報を伝えていたとしても、「余計な話ばかりする人」という印象を持たれてしまうかもしれません。