「あすなろ抱きに胸キュン…」木村拓哉が「実写化作品」で演じた“漫画キャラ”の名場面
■かつての「SMAP」メンバーも総出演『シュート!』久保嘉晴
木村さんといえば、やはり国民的人気アイドルグループ「SMAP」としての知名度の高さが有名だが、実は木村さんのみならず、この「SMAP」メンバーが総出演していた実写化映画があったことをご存じだろうか。 それが、1994年に公開された実写化映画『シュート!』である。 本作は1990年から『週刊少年マガジン』(講談社)で連載された大島司さんのサッカー漫画を原作としており、高校サッカー部の面々が数々の苦難を乗り越え、全国大会へと挑んでいく青春物語だ。 実写版映画では、1996年にグループを脱退した森且行さんも含めた6名がそれぞれの役柄を演じたことでも話題となった本作。 なかでも木村さんは、チームの主将として物語に深くかかわるサッカー部員・久保嘉晴を熱演。久保は病を抱えながらもサッカーに対する天才的な実力と激しい情熱でチームを率いていく頼り甲斐のある選手で、原作にもある「伝説の11人抜き」の名場面は、本作でもしっかりと再現されている。 実は『シュート!』は、木村さんの映画初出演となる記念すべき作品であった。本作で「第7回日刊スポーツ映画大賞 石原裕次郎新人賞」を受賞するなど映画初主演デビューを華々しく飾り、俳優としての実力を周囲に知らしめた作品でもある。 木村さんをはじめ、若き「SMAP」のフレッシュな演技を見ることができる、非常に貴重な実写化作品といえるだろう。
■数々の“殺陣”で魅せる壮絶な役者魂…『無限の住人』万次
昨今、数多くの“バトル漫画”が実写映画化されているが、なかでも木村さんが壮絶な“殺陣”に挑んだ作品といえば、2017年に公開された映画『無限の住人』だろう。 『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、1993年から連載された沙村広明さんの同名漫画が原作で、“不老不死”の肉体を手に入れた主人公・万次が数々の強敵たちと戦いを繰り広げていく時代劇作品となっている。 本作で木村さんは、主人公として活躍する剣士・万次を熱演。顔に大きな傷を刻み、白と黒のコントラストが鮮やかな着物に身を包んだその姿は、原作通りの万次像を見事に再現していた。 また、本作で木村さんは数々の“殺陣”にも挑戦している。物語冒頭の“100人斬り”に始まり、立ちはだかる強敵たちとの死闘、クライマックスの見せ場である“300人斬り”など、ハードでスケールの大きい“殺陣”の数々を、木村さんは着物に草履スタイルで次々にこなしていった。 時期が冬だったこともあり、かなり過酷な撮影現場だったようだが、木村さんは薄着の衣装で特殊メイクを施したまま、この凄まじい殺陣の数々を見事に演じきった。 しかも木村さんは本作の撮影中に“靭帯損傷”の怪我を負ってしまったのだが、そのハンデを背負ってもなお、前述の殺陣の数々をやり切ったというのだから驚いてしまう。 無論、多人数相手の大立ち回りのみならず、原作同様の“特殊武器”を操る強敵との死闘も映画では健在。木村さんが魅せる数々の剣戟アクションは必見だ。 ドラマに映画、アニメやゲームと多種多様な場面で活躍を続ける木村拓哉さんだが、数々の実写化作品のなかでも、その格好良さと演技力の高さを存分に発揮している。 作品ごとに異なる顔を覗かせる“キムタク”の活躍の数々を、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。
創也慎介