ダウンスイング時の「シャフトを立てるor寝かせる」問題 昔の“常識”は今の“非常識”になっているって本当?
ダウンスイングでの「シャフトの傾き」には昔も今も「常識」はない
世界のトッププロをはじめ、新旧スイングにおける「トレンドの歴史」を追っていくとある結論に辿り着きます。それはクラブやボールなどのスペックが大きく変わっても、スイングの「常識」は今も昔も大きく変わっていないということです。 【ビシッと伸びた左腕!】これがカッコいいフォローが決まる片手打ち練習のやり方です
現代は弾道測定や3Dモーションキャプチャー、フォースプレートなどにより「スイングの中身」を可視化することができるようになりました。「一流選手のスイング」が誰でも理解できるようになったのです。 今回取り上げるダウンスイング時の「シャフトの傾き」も、昔から「立てる」タイプの選手も「寝かせる」タイプの選手もいました。 近年は「シャローイング」の言葉とともに、トレンドが「寝かせる」風潮になっているだけです。
昔も今もPGAトップ選手には「立ち過ぎ」は少ない傾向ですが、50年前よりも2インチ以上長くなったドライバースペックの影響による「見た目」や「流行りの言葉」に惑わされないで欲しいです。 約70年前にベン・ホーガン氏が提唱した「スイングプレーン」、それより内側に収まっていればシャフトを過度に倒さなくてもアウトサイドインにはなりません。 ダウンスイングの途中でおおよそ「グリップエンドがボールを指す感じ」になっていれば、オンプレーンスイングの範囲内という常識は、昔から何も変わっていません。
シャフトを「立てるor寝かせる」はトップの個性によって決まる
昔と今のスイングを並べてみました……といっても、同じティーイングエリアから打ったとしても、個々の選手で「持ち球」も「アドレス向き」も異なるため、全く同じアングルの動画や写真を比べるのは不可能に近いです。 3Dモーションキャプチャーで「かなり近似した角度」から比較すると、個々のゴルファーで異なる「トップの個性」が見え方に大きく影響していることが分かります。
つまりシャフトが立ったトップからは「寝かせる動き」が入り、逆にシャフトが寝たトップからは「立つような動き」に見えるのです。 それもあくまで第三者から見た場合の話で、本人の感覚ではシャフトを立てたり寝かせたりする意識はなく、「インパクトに向かって振り抜く」だけだったりします。 トップからインパクトまでのわずかコンマ数秒の間に、わざわざダウンスイングの最中の「一コマ」のためにシャフトの傾きなどは意識していないのが常識なのです。