<映画評>ホビットの壮大な冒険譚は今回も健在「竜に奪われた王国」
映画「ロード・オブ・ザ・リング」の60年前の世界を描いた「ホビット」シリーズの第2部「ホビット 竜に奪われた王国」。ドワーフやガンダルフとともに王国を取り返す旅に出るホビットの壮大なファンタジー冒険譚は今回も健在だ。
「竜に奪われた王国」は、J.R.R.トールキン著「ホビットの冒険」を映画化した「ホビット」シリーズ三部作の第2部。第1部は「思いがけない冒険」で、第3部の「ゆきて帰りし物語」は来年3月の公開予定となっている。 監督は「ロード・オブ・ザ・リング」三部作、「ホビット」前作と同様にピーター・ジャクソン。出演は、主人公のホビット、ビルボ・バギンズ役のマーティン・フリーマン、魔法使いのガンダルフ役のイアン・マッケランらに加え、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作で人気を博したエルフのレゴラス役でオーランド・ブルームも再登場する。
物語は「ロード・オブ・ザ・リング」の60年前の世界で、「中つ国(なかつくに)」が舞台。すべてを炎で焼き尽くすという巨大な竜「スマウグ」によって奪われたドワーフ王国を取り戻すために、ホビットのビルボは、魔法使いのガンダルフ、13人のドワーフとともに壮大な冒険の旅に出る。前作はそのスマウグが目を覚ますシーンで終わったが、果たして一行は王国を取り戻すことができるのか? 本作は、第1部と同じく「ハイ・フレーム・レート3D(HFR3D)」で撮影されている。従来の映画は秒間24コマで撮影されるが、HFR3Dではそれを秒間48コマで撮ることができる。それにより、24コマでの3D映像よりもスピーディーで滑らかな動きを再現できるという。スマウグがすむ山までの道中、巨大なクモの群れや激流を下りながらのオークたちとの激闘、そして最強の敵であるスマウグとの戦いのようなアクションシーンは、より臨場感あふれる3D映像になっている。 ジャクソン監督が「キャラクターの葛藤や苦悩を掘り下げた」と語る本作。「ホビット」三部作として初めて「人間の町」が登場したり、劇中のシーンでたくさんのニュージランドの美しい名所が使われるなど見どころは多い。「指輪」をめぐるビルボの言動にも注目だ。 映画は2月28日から全国公開されている。 (C) 2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.