サンフレッチェ広島レジーナ・中嶋淑乃が今季後半「肌荒れ直さなきゃ!」と思うワケ
【「肌荒れ直さなきゃ!」】 ――皇后杯ベスト4は、カップ戦の優勝が勢いだけじゃないと示しましたよね。そうなると、当然今度はリーグ戦でのタイトルへの期待も高まります。今後の見どころは? 中嶋 今、3バックをやっていて、もう走り合いです(笑)。だからこそ、サイドから上がるタイミングと、その予測が大事です。タイミングを間違えると(後ろの)人数が少ないので、カウンターを食らってしまいます。そこは今まで以上に周りと話していて、カバーリングのところはかなり落とし込まれてきてますね。 ――左サイドは、前にいる瀧澤千聖選手とのリズムが合ってますね。 中嶋 ああ......いろいろタレ込んでくれたチー(瀧澤)ですか? あと、ルナ(木稲瑠那)やな? ――すみません、情報源はお答えできません(笑)。 中嶋 あのふたりしかいない! それはそれとして(笑)、前にチーがいてくれるのは本当に助かっていて、相手が多少強くてもチーに潰してもらって自分が前に出ていくこともできるんです。 彼女は中に入っていくプレーも得意ですし、持ち場が被らないのもいい。ひとりでサイドを使えるので、いっぱい走ってシュートまで行きたいです。チー、使えますね(笑)。 ――ちょっと言い方が悪いですけど(笑)。瀧澤選手とのバランスがいいと中嶋選手がシュートを狙うのも効果的ですよね。コースを狙うタイプかと思っていたんですけど、最近シュートにパワーが乗っていませんか? 中嶋 実は2年目くらいから、切り込んだ時とかのシュートのパワー系のトレーニングを取り入れてるんです。まだまだですけどね。それが周囲にちょっと伝わってるなら、変わってきたってことですよね。嬉しい! ――WEリーグ後期再開も楽しみです。新スタジアムでのプレーももうすぐです。 中嶋 新スタジアム(エディオンピースウイング広島)、すっごくいいですよね! でも、客席とピッチがすごく近いので恥ずかしいかも......。空中戦とかの、すごく事故的な顔とか見られそうで怖いです(苦笑)。顔面左側は疲れた顔できないですね。あ、でも戻る時は右側もか。肌荒れ直さなきゃ! ◆ ◆ ◆ 最後まで天然っぷりを炸裂させていた中嶋。新スタジアムとなるエディオンピースウイング広島は、選手たちの意見交換の声まで聞こえてくるかもしれない。 そのスタジアムで、ぜひ試合直前の中嶋に注目してみてほしい。どこかでおかしな声を出していたり、隣の選手にちょっかいを出していたり、常にチームの笑いの中心にいる姿を発見できるはず。 ホイッスルが鳴った後は、パワーアップしたシュート音、突破するコースを見据える目線、パワーを落とさず駆け上がるドリブルのスピード感......今、中嶋が注力しているプレーを追い続けるのも一興だ。(おわり) 中嶋淑乃 なかしま・よしの/1999年7月27日生まれ。熊本県出身。東海大学付属熊本星翔高校から2018年にオルカ鴨川FCへ入団。2020年にはなでしこリーグ2部の得点王を獲得。2021年にサンフレッチェ広島レジーナへ移籍し、今季3シーズン目をプレーしている。2022年にE-1サッカー選手権を戦うなでしこジャパンに選出され、代表デビュー。2023年のアジア大会では決勝で先制点を挙げるなど、日本の優勝に貢献した。
早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko