サッカー五輪代表「OAの3枠」の本命は誰か?「筆頭候補は板倉滉27歳、2人目は…」攻撃力重視ならオランダで得点量産中“あのFW”も
パリ五輪最終予選を兼ねたU23アジアカップで優勝を果たし、U-23サッカー日本代表が8大会連続の五輪出場を決めた。しかし本大会のメンバー登録枠はわずか18人であり、さらにそのうち3人はオーバーエイジ(24歳以上の選手)の招集が見込まれている。五輪でメダルを狙うための「オーバーエイジの最適解」とは。長く日本代表を追うライターの戸塚啓氏が分析する。(全2回の1回目/「18人予想」編も読む) 【画像で見る】サッカー五輪代表「OAの3枠」本命の選手とは?「黒髪時代もヤンチャそう」な松木玖生16歳など日本代表レア写真も一気に見る(全80枚)
過去にもオーバーエイジを採用してきた日本
さて、大岩剛監督は誰を選ぶのか。 そもそも、招集するのだろうか。 パリ五輪のオーバーエイジである。先日のアジア最終予選まではU-23世代で戦ってきたが、パリ五輪では24歳以上の選手を3人まで招集できる。 オーバーエイジを招集するか否かは、チームの目標からの逆算で決まる。 23歳以下の選手にできるだけ経験を積ませる、1人でも多く試合で使うことを目的とするのか。 それとも、チームの成績を求めるのか。 2000年のシドニー五輪以降、日本はチームの成績を求めてオーバーエイジを採用してきた。08年の北京五輪は23歳以下の選手だけで戦ったが、反町康治監督(当時)はオーバーエイジの招集を検討している。招集を打診した選手の所属クラブと調整がつかなかったり、招集を見込んだ選手が体調を崩したりしたため、オーバーエイジ枠を使えなかったのだった。 チームの成績を求めるスタンスは、今回も変わらないだろう。グループステージを突破して準々決勝、準決勝と戦っていく経験は、W杯につながっていく。勝ち上がることが、U-23世代の将来を明るく照らす。チームの可能性を拡げる存在として、オーバーエイジを招集することに疑問はない。
最優先したい守備の安定…筆頭候補は板倉滉か
では、誰を呼ぶべきか。 選考のポイントは三つある。 チームの背骨となるセンターラインを強化する。 人材が手薄なポジションを強化する。 3人のうち少なくとも1人は、五輪経験者とする──。 大岩監督のチームの人材を見ると、CBにオーバーエイジを2枚置きたくなる。最終予選5試合に先発した19歳の高井幸大(川崎フロンターレ)がスケールの大きさを感じさせた一方で、最終ライン中央は底上げの必要性を感じさせたからだ。 板倉滉(ボルシアMG)はぜひとも招集したい。 21年の東京五輪と22年のカタールW杯に出場し、森保一監督の第二次政権下でもCBのレギュラーとして起用されている。個で「守り切る」力に加えて、攻撃にも関われる。リーダーシップも期待できる27歳は、オーバーエイジの筆頭候補と言っていい。 対アジアと対世界では、日本の戦いぶりが変わってくる。相手の攻撃を受け止める、しのぐ、といった時間が、アジア最終予選よりも長くなる。守備の安定は上位進出の大前提で、オーバーエイジの2枠をCBに充てるとの考えも成り立つ。たとえば、伊藤洋輝(シュツットガルト)や町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ)は、CBと左SBでの起用が見込める。サイズがあって左足の精度も高い。どちらか1人を招集することで最終ライン中央の安定感が増し、選手層のプラスアルファを生み出せるが、オーバーエイジが必要なポジションは他にもある。ここは板倉1人としたい。
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