苦戦必至と言われたのに…ムロツヨシ『うちの弁護士は手がかかる』が金曜の夜にハマってしまったワケ
ムロツヨシ(47)主演、平手友梨奈(22)がヒロインをつとめる『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ系)が好調だ。12月4日現在では平均世帯視聴率6.6%でフジテレビ系のGP帯連ドラ5本の中では1位。Tverのお気に入り登録者数では『いちばん好きな花』に後れをとってはいるものの、全ドラマの中で2位につけている。もはや月9『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』をまったく寄せ付けない勢いだ。 【ツーショット】ぎゅっと手を握って……ムロツヨシと"恋人"だった戸田恵梨香のデートシーン‼ 同作品は元敏腕芸能マネージャーだった蔵前勉(ムロ)がパラリーガルに転職し、最年少で司法試験に合格した天才弁護士天野杏(平手)に振り回されながら奮闘するという「育成型リーガルエンタテインメント」。どこまで台本でどこからがアドリブなのかわからない”ムロ劇場”ともいうべき彼の暴れっぷりと、天才弁護士なのに社会人としては赤ん坊同然な平手のポンコツぶりが《回を重ねるごとにクセになる》と評判を呼んでいる。 「第4話で杏は事務所の同僚弁護士やスタッフの名前すら覚えていないことが発覚。蔵前がメモに名前と特徴を書いて覚えるようにアドバイスされるなど、相当なポンコツぶりです。これまで平手は天才キャラを演じる機会が多かったので、最初にキャスティングを知ったときは正直『またか』と思いました。しかし、そんな隙だらけな平手演じる杏が《カワイイ》という声が多数あがっています。 最初はまったく相容れない2人が仕事でも人間関係でも徐々に人間関係を深めていくのはバディものの定番ですが、それでも2人が距離を詰めていくさまに目が離せないんです」(ドラマライター) そしてちょいちょい挟まれる過去のドラマのパロディなどの小ネタも、視聴者にとってこの作品を見る楽しみの一つになっているようだ。
「1日に放送された第8話では、遺産相続の案件に登場する『佐野家』の姉妹の姉が温子、妹がゆう子だったことから『W浅野だ!』と蔵前が叫び、杏がポカンとしているシーンがありました。蔵前が嬉々として繰り出す小ネタを、娘ほどの年齢の杏がさっぱり理解できないというのも視聴者からすれば”あるある”で、共感できるポイントなのでしょう。ちなみに佐野姉妹の姉『佐野温子』役は浅野ゆう子が演じていました(笑)」(同前) これだけ視聴者から支持されている『うち弁』だが、放送されているフジテレビ金曜夜9時は、10月からの新しいドラマ枠。’69年に終了した『春よこい』以来、なんと約54年ぶりの復活となる。その第1弾として『うち弁』の制作が発表されたときには、実はその成功を疑問視する声が多かった。 「金曜の夜9時といえば他の局は日テレ『金曜ロードショー』、TBS『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』、テレ朝『ミュージックステーション』など、20年以上続く長寿番組が並ぶ時間帯です。とくに『金ロー』はジブリ作品などの人気作を放送すると視聴率10%を超えることもあり、TBSの夜10時からのドラマ枠はその影響で苦戦を強いられているとも言われています。 また、ドラマは視聴習慣がないとなかなか見ないため、新しい枠は苦戦を強いられることも多い。『パリピ孔明』のフジテレビ水曜10時、『たとえあなたを忘れても』のテレ朝日曜10時は裏番組の関係もありますが、いずれも伸び悩んでいる。新枠最初の作品で決してビッグネームではないムロさんを主演に持ってきたことも、『主演を受けてくれる俳優がいなかったのでは』などと囁かれていました」(テレビ局関係者) だが、一見勝ち目のなさそうな時間帯が結果的には”穴”だったようだ。 「長寿番組が並び、視聴者が固定の番組にチャンネルを合わせがちな時間帯ではありますが、とくに『金スマ』、『Mステ』の2番組は近年、視聴率の著しい低下が指摘されていました。『うち弁』はそこに上手くハマった形です。1話完結だし、内容も分かりやすいから”途中参戦”しやすかったこともありますが、やはり作品のテイストが気軽に楽しみやすいという点が大きいのでは」(同前) 『うち弁』が好調でまずは好発進のフジテレビ〝金9〟ドラマ。1月からスタートするのは桐谷健太主演の『院内警察』だというが、この波に乗れるだろうか。
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