原発内の傷病者対応、医師登録制度を開始 電力事業者など12社
東京電力、東北電力など原発を持つ電力事業者など12社は1日、原発構内で傷病者が出た時に、初期診療を担う医師の事前登録システムの運用を開始した。事業者が登録医師に出動を要請する仕組みで、作業員らが原発構内での初期医療(オンサイト医療)を円滑に受けられるようにする狙いがある。 原子力規制委員会が定める原子力災害対策指針では、事業者に対し、傷病者に原発構内で対応できる体制の構築を求めている。東電は福島第1原発事故後、全国の医師が登録する緊急医療ネットワークを導入した。登録医師が東電の要請に応じて出動、原発構内に交代で入り、作業員を診療する。骨折、やけどといった外傷、熱中症などに対応するほか、放射性物質による汚染の有無も確認する。必要があれば近くの病院に搬送し、本格的な医療に引き継ぐ。東電によると、登録医師は約60人で月6回ほど出動している。 新システムは第1原発の仕組みの全国版で、約120人を目標に救急医療関連の学会などで登録を呼びかける。登録医師向けの研修に平時から取り組み、オンサイト医療の実効性を高めていく。
福島民友新聞