はやぶさ2の観測状況 JAXA会見(全文1)着陸計画を変更、来年1月以降に
MASCOTの分離運用の現状
では、まず7ページ目、MASCOTの分離運用からご説明いたします。まず運用の概要なんですが、実際にMASCOTを分離運用する前にMASCOTのプロジェクトマネージャ、Tra-Mi Hoさんより、まずは分離して良いという同意をきちんともらっております。10月2日から探査機が降下を開始しまして、10月3日の日本時間で10時57分20秒、MASCOTを高度51メートルで分離しました。その後MASCOTのほうは予定通り表面に下りて観測を開始したということになります。その後、10月4日の日本時間4時半になりますが、その時点でTra-Miさんからミッション終了と、MASCOTの運用は終了したというのを宣言していただいて、ここでMASCOTそのものの運用は終わったということになります。その後、探査機のほうはしばらくホバリングをして、データを地球に送ったり、あるいは小惑星の観測をして、最終的にホームポジションに戻ったということになります。 今回、MASCOTとの通信は非常に正常に行われておりまして、MASCOTの着地の確認とか、搭載機器によって得られたデータもきちんと取得されて、データそのものはドイツ側に全て提供済みということになります。またMASCOTは途中でホップして、跳び上がって、移動して、観測をしたということも確認されております。その後データにつきましてはまた、【*** 00:04:56】ですが、あしたドイツ側で記者会見をするということで、あしたのデータ、どのようなものが公開されるか非常に楽しみです。 MASCOTの運用そのものは、これはドイツ側で行われていて、DLRのケルンで約40名が運用に携わっていたということです。またフランス、CNESのほうもトゥールーズで5名ほどが運用のサポートをしたと聞いております。探査機の運用は日本側で行っています。あとDSN、アメリカのDeep Space Networkなんですが、日本の臼田をバックアップして、臼田が見えない期間とか通信を行いましたけれども、今回はレベル2という、わりと上位の、レベルの高いサポート体制をいただいております。それからMASCOTで得られたデータを早速われわれのほうにいただいておりまして、タッチダウン運用の検討に今、使っているということになります。 次のページは以前お見せしました計画の図に実際の高度とか時刻を書き入れたものですので、これご参考までにご覧ください。先ほど言ったことと同じことになります。 それから次のページですね。9ページ目になります。これもすでに公開済みですけれども、ONC-W2という広角の光学航法カメラ。これは探査機の側面に付いているものなんですが、ここにありますように、この上に入れていますように、MASCOTが3枚写っておりまして、3枚目はきちんときれいにMASCOTの表面の様子が分かりました。これは分離直後になります。分離した時刻が10時57分20秒ですから、1枚目が10時57分54秒ということで、34秒後に撮影されているということで、分離直後に探査機から離れていく様子が確認されたということになります。 次のページは、それを個別のコマに分けて表示しただけですので、これは省略いたします。それからさらに11ページ。これはONC-W1ですね。これは探査機の下面に付いているカメラなんですが、これでもMASCOTの位置が確認できておりまして、左側の図の青い枠を拡大してみますと右側になって、白い点と黒い点が写っております。それぞれ拡大したものが下に出てますけれども、MASCOT本体とその影ということが確認されました。特にこのMASCOT本体は、真ん中に白い点があって、その周りが黒くなっていますが、これはMASCOTの底面の写真を比較してありますが、底面に白いアンテナがありますので、おそらくこの白い、丸いアンテナが白く光っているものと考えております。実際こういう写真が何枚か撮れていまして、MASCOTの表面近くの動きが今、確認されているということになります。 それから12ページ。これはMASCOT側から最初に公開された写真でして、左側は降下していく途中ですね。失礼しました。右上の黒い点、これがMASCOT本体の影になります。それから右の写真、これは表面に降り立ったときの写真ということで、この手の写真が非常にたくさん撮れていて、現在MASCOTチームが解析を行っているということになります。 それから13ページは、これはわれわれがMASCOTがどこに降りたかというのを解析しておりまして、この水色のばってんですね。ばつ印のところにMASCOTは着地したということで、さらに詳しい解析を現在行っているということになります。 で、MASCOT最後です。14ページ。これはヨーロッパ側ですね。非常に大きな話題になりまして、ちょうどMASCOTの分離運用をやっているときに、IACという国際宇宙会議というものがドイツのブレーメンで行われていて、そのときに「はやぶさ2」の最新情報ということで紹介したときの写真と、あとこの右側には、これはDLR理事のDittusさんから、いただいたメッセージ。これMASCOTチーム宛なんですがわれわれも含んでいますので。で、この赤いところにJAXAにも感謝するというようなことが書かれております。 さらにこの左下の記者会見。これがあすなんですね。あすの日本時間で言うと、あす12日の夕方の5時半からドイツのベルリンのDLRでMASCOTの一番最初の成果報告があるということで、これまだわれわれも詳しい内容を聞いてないんですが、非常に楽しみにしていると、そういう状況です。 このようにMASCOTの運用、非常にうまくいって、われわれ非常にほっとしました。MASCOT運用は以上です。 続きまして、タッチダウンへ向けたリハーサルとタッチダウンの方針ということで。